1月5日、英政府は環境土地管理スキームのもと、自然を保護・強化し、持続可能な食糧生産を実現するために、農家が受け取る報酬が増加すると発表した。
農家は持続可能な農業奨励金(Sustainable Farming Incentive:SFI)を通じて、自然に優しい行動をとることでさらに年間1,000ポンド(約15万円)まで受け取ることができるようになる。新しい管理支払いは、SFI協定に基づく最初の50ヘクタールの農地(1ヘクタールあたり20ポンド)に対して行われ、参加にかかる管理コストをまかない、現在スキームにあまり参加していない中小企業(その多くは小作農)を惹きつけるために行われる。SFIはすでに土壌や湿原を改善するために農家に報酬を支払っており、2023年の拡大基準は間もなく発表される予定である。
さらに、現在イングランド全体で3万件あるカントリーサイド・スチュワードシップ(CS)契約を結んでいる農家は、生息地管理などの継続的な活動をカバーするため、収入支払率が平均10%増加する。また、Defraは、生垣の作成など単発のプロジェクトに対応する資本支払率も更新し、平均48%増とする。
一方、イングランド森林開発公社(EWCO)とツリーヘルスパイロット(THP)の資本金と年間維持費も今年更新され、農家が貴重な天然資源としてより多くの樹木を農場に取り入れるインセンティブとなる。
これらの変更を合わせると、より多くの農家が、畑の端に生垣や花の多い草地を作るなど、個々の前向きな行動を取ることになり、農家や土地所有者が、持続可能な食料生産と同時に自然のための空間を作ることを支援することになる。これは、英国の法的拘束力のある環境目標を達成し、昨年12月のCOP15で合意された2030年までに生物多様性の損失を止めるという目標に貢献するとともに、業界がより多くの国産農産物を栽培し、イノベーションを活用できるよう支援するものである。
【参照ページ】
(原文)Government to pay more to farmers who protect and enhance the environment
(日本語参考訳)英政府、環境を保護・改善する農家への報酬を増額