12月11日、COP15 国連生物多様性条約締約国会議において、投資家グループは、自然の喪失と生物多様性の減少に対処するための企業行動を促進することを目的としたエンゲージメント・イニシアティブ、Nature Action 100の設立を発表した。
来年には正式に発足する予定で、現在、AXA IM 、Columbia Threadneedle、 BNP Paribas AM、英国教会委員会、 Domini Impact Investments、 Federated Hermes、 Karner Blue Capital、 Robeco、 Storebrand Asset Management 、 Christian Brothers Investment Services、 Vancity Investment Management などの投資家で構成されている。
Nature Action 100の発足声明によると、本イニシアティブは、生物多様性と自然の喪失による財務リスクが高まる中で形成されている。世界のGDPの半分以上にあたる44兆ドル(約6,058兆円)の経済価値の創出が自然サービスに依存しており、今後5年から10年の間に森林破壊に関連した商品の生産が継続されることにより数百億ドルのリスクにさらされる可能性があるとされている。
本イニシアティブの下、投資家は、2030年までに自然と生物多様性の損失を逆転させるという目標に対してシステム的に重要であると特定された主要セクターに焦点を当て、セクターパスウェイのマッピング、エンゲージメントのための100社の重点企業の特定、自然の保護と回復に必要な企業行動の特定、主要指標に対する重点企業の進捗の追跡、自然に焦点を当てた政策についての政策立案者との提言活動のサポートなどの活動を行う予定である。
Nature Action 100の事務局および企業参画のワークストリームは、持続可能な投資に焦点を当てたセレスと気候変動に関する機関投資家グループ(IIGCC)が共同で主導する。この2つの組織は、資産総額68兆ドル(約9,363兆円)を超える700の投資家が参加する気候変動に焦点を当てた取り組みである「Climate Action 100+」のコーディネーターでもある。
本イニシアティブの技術諮問グループは、優先的な取り組みを特定し、科学的根拠に基づく投資家のガイダンスやツールを開発する責任を負っており、生物多様性金融財団とプラネット・トラッカーが共同リーダーを務める。
【参照ページ】
(原文)At COP15, investors announce Nature Action 100 to tackle nature loss and biodiversity decline
(日本語参考訳)COP15で、投資家が自然損失と生物多様性の減少に取り組む「Nature Action 100」を発表