8月19日、米国環境保護庁(EPA)は、化学物質事故から脆弱な地域社会、特に事故率の高い施設周辺に住む人々をさらに保護するために、リスク管理プログラム(RMP)規則の改定を提案した。本規則案は、「Safer Communities by Chemical Accident Prevention Rule」と題され、既存のプログラムを強化するとともに、従業員の参加強化や安全性の決定に関する地域社会への透明性など、これまでのRMP規則では扱われてこなかった新しい保護措置も盛り込まれている。
EPAのRMP規則は、事故率の高い産業施設に対して、死亡や負傷、財産や環境への損害を引き起こし、周辺地域からの避難を必要とする危険な化学物質の大気放出を防ぐよう求めることにより、公衆衛生と環境を保護するものである。これらの施設は、歴史的に汚染から不釣り合いな負担を強いられてきた地域に立地していることが多いため、本規則は、環境正義を推進するEPAの活動の重要な一部である。
EPAは、偶発的な化学物質の放出とその悪影響の発生頻度を低減することにより、より安全な地域社会を育む改正案を提案している。EPAは、一部の施設、特に最も頻繁にあるいは深刻な事故を起こしている種類の施設に対して、化学物質の事故を防止するためのより多くの努力を求めるRMP規制の強化を提案している。
本規則案のハイライトは以下の通りである。
- RMP施設の周辺に住む地域社会に対する保護を強化
- 規制対象施設が、自然災害や気候変動によるリスクを評価するための要件を重視
- 柵のある地域社会が必要とする言語での情報提供を増やすことによる、環境正義の促進
- 事故率の高い特定の施設に対する、より安全な技術や代替案の分析の要求
- 施設の事故防止要件において、従業員の参加と意思決定の機会の拡大を推進
- 事故実績の悪い施設に対する第三者監査の義務付け
- 施設の計画および準備の取り組みの強化
【参照ページ】
(原文)EPA Proposes Stronger Regulations to Protect Communities from Chemical Accidents
(日本語訳)EPA、化学物質事故から地域社会を守るための規制強化を提案