6月26日、2020年に発足した持続可能な市場を目指した世界的連合である Sustainable Markets Initiative(SMI)は、G7各国政府に対し、低炭素な世界経済への移行に向けた投資のために民間部門の資本動員を可能にする政策や慣行を制定する要請を発表した。
署名者には、プロフェッショナルサービス企業のKPMG、PwC、デロイト、EY、金融サービス企業のバンク・オブ・アメリカ、HSBC、ステート・ストリート、エネルギー企業のbp、シェルなどのトップマネジメントが含まれている。
本声明は、必要な民間部門の投資を促進するために、今週ドイツで開催されるG7サミットにおいて、大規模な産業経済国のリーダーたちがとるべき一連の重要な行動領域を強調している。SMIは、「意味のある」炭素価格のパラメーターを定義した。トン当たり30〜70ドルの範囲では、石炭への投資はもはや意味をなさないと指摘し、70〜120ドルでは水素や炭素回収などの産業ソリューションが実行可能となり、120ドル以上では負の排出技術が財政的に魅力的となる、と述べている。
このほか、低炭素の公共調達の決定、研究開発や人材育成への投資などを通じて公的資金の効果をより最適化すること、混合金融の仕組みを通じて民間投資のリスクを低減すること、持続可能な燃料の航空輸送の義務付け、内燃機関の段階的廃止、特定のメタン排出政策など明確な政策を通じて明確さと安定性を提供することなども、声明で求められている。
【参照ページ】
(原文)As G7 leaders gather for this year’s meeting in Germany, we offer three critical areas for action.
(日本語訳)SMI、G7に炭素価格の引き上げと気候変動対策への民間市場投資を可能にする政策の設定を要請