カリフォルニア州司法長官、世界的なプラスチック汚染の原因である化石燃料・石油化学産業への調査を発表

プラスチック

4月28日、米カリフォルニア州司法長官ロブ・ボンタは、化石燃料および石油化学産業が世界的なプラスチック汚染の原因および悪化に果たした役割について調査を行うと発表した。調査の一環として、司法長官は同日、世界的なプラスチック汚染の主要原因であるエクソンモービルに対し、同社が大衆を欺いたことに関する情報を求める召喚状を発した。

同州は、世界的なプラスチック汚染危機は、化石燃料と石油化学産業によって引き起こされてきたと指摘した。当該企業はプラスチック生産を倍増させ、最近では世界中でプラスチック生産を拡大するために2080億ドルを追加投資している。プラスチック生産はすでに温室効果ガスの重要な排出源となっており、化石燃料ベースの生産拡大計画は、クリーンエネルギーへの移行を通じて気候危機に対処する努力に逆行するものである。

カリフォルニア州ではプラスチックが州内の河川、海岸、湾、海域を汚染しており、清掃と防止に毎年5億ドル(約651億円)のコストがかかっていると推定した。また、プラスチック廃棄物が野生動物に与える影響や、製造による大気汚染なども強く問題視した。

化石燃料および石油化学産業界は数十年にわたり、石油を原料とするプラスチック製品の開発を積極的に推進し、製品がもたらす有害な影響について、一般の人々の理解を最小限に抑えるよう誘導してきた。司法長官の調査は、当該産業が一般市民を欺くために行ってきた歴史的かつ継続的なキャンペンーンが法律に違反しているかどうか、またどの程度違反しているかを調査するものである。

【参照ページ】
(原文)Attorney General Bonta Announces Investigation into Fossil Fuel and Petrochemical Industries for Role in Causing Global Plastics Pollution Crisis
(日本語訳)カリフォルニア州司法長官、世界的なプラスチック汚染の原因である化石燃料・石油化学産業への調査を発表

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る