Scottish Widows、タバコと化石燃料企業の保有株を約2,400億円売却

3月29日、スコットランドの生命保険及び年金会社であるScottish Widowsは、ESG投資除外方針の改定を発表した。タバコ会社を除外リストに加え、化石燃料に関する規則を厳格化した。改訂された方針に基づき、同社はポートフォリオから15億ポンド(約2,409億円)相当の投資を売却し、ESGリスクに基づく売却の総額は30億ポンド(約4,819億円)に達する予定だ。

Scottish Widowsの修正方針によると、同社は今後、収益の10%以上をタバコから得ている企業を保有しない。これは、すべてのタバコメーカーと大手流通業者を対象とするが、スーパーマーケットなど、タバコから少量の収益を得ている企業は対象外である。Scottish Widowsは、本方針を説明する文書を発表し、タバコの保有は責任ある投資戦略とは相容れず、投資リスクをもたらすと述べた。

また、同社は化石燃料投資の基準値を改定し、従来の10%から一般炭やタールサンドの採掘から得られる収益が5%以下の企業のみに投資する。

Scottish Widowsは、改訂された方針を実施するために、指数・データ・分析プロバイダーのFTSE Russellと協力して、BlackRockが運用するパッシブファンド用に様々な特注指数を構築した。本インデックスは、新たな除外項目に加え、物議を醸す兵器の製造業者や国連グローバル・コンパクトの違反企業など、Scottish Widowsの既存のESGスクリーニングもカバーしている。

【参照ページ】
(原文)Scottish Widows cuts out $2 billion of tobacco, coal investments
(日本語訳)スコティッシュウィドウズは20億ドルのタバコ、石炭への投資を削減

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る