2月23日、EUは大企業に対してサプライチェーンにおける人権や環境への悪影響を評価し、対処を義務づける規則を含む、企業の持続可能性についてのデューデリジェンスに関する法案の採択を発表した。
この新規則は、まず従業員500人以上・売上高1億5千万ユーロ以上の企業に適用し、2年後には従業員250人以上、売上高4千万ユーロ以上の企業にも拡大する予定だ。また、EU域内でこの基準値を超える売上を得ている非EU企業も、この規則に従うことが求められる。
企業の事業・子会社・サプライチェーンに適用される新規則は、デューデリジェンスを政策に組み込み、人権や環境への悪影響の実際または可能性を特定し、潜在的な影響を防止または軽減し、実際の影響をなくすか最小化するよう企業に求めている。また、企業に苦情処理手続きを確立・維持し、デューデリジェンスの方針と手段の有効性を監視し、デューデリジェンスについての公表を要求する予定だ。
従業員500人/売上高1億5千万ユーロのグループの企業は、地球温暖化を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標への事業戦略の適合性を保証する計画も必要となる。
さらに、新規則は会社取締役に対する要件を導入し、デューデリジェンスの実施を設定・監督し、企業戦略に統合する義務を明記し、会社の利益のために行動する義務の一環として、意思決定の際に人権、気候変動、環境への影響の考慮を定めている。また、この規則では、取締役の変動報酬型インセンティブへの気候変動対策の包含も織り込まれている。
EUが新しいデューデリジェンス規則を採択した後、この提案は欧州議会と理事会に提出され、加盟国は2年以内にこの指令を国内法に反映する予定だ。