経産省、マグネットセットや水で膨らむ玩具の販売を禁止

経済産業省

5月16日、経済産業省は、「消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されたことを発表した。本政令は、消費生活用製品安全法の特定製品に新たに磁石製娯楽用品と吸水性合成樹脂製玩具を指定し、技術基準に適合しない製品の販売を規制するものである。

同政令に基づき、強力な磁力を有する複数個の磁石を組み合わせて使用するいわゆるマグネットセットや水を吸収することで大きく膨らむ吸水性の玩具は、販売できなくなる。

消費生活用製品安全法では、「消費生活用製品のうち、構造、材質、使用状況等からみて一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品」を「特定製品」として消費生活用製品安全法施行令で指定し、特定製品の製造及び販売を規制している。

磁石製娯楽用品(マグネットセット)については、平成29年から令和4年に、子供が複数個の磁石を誤飲し腸壁を挟んで強力な磁石が引き合うことにより開腹手術による摘出が必要となった事故が11件発生した。吸水性合成樹脂製玩具(水で膨らむボール)については、令和3年に、乳幼児がこれらの製品を誤飲したため腸内で大きく膨らみ開腹手術による摘出が必要となった事故が4件発生している。当該2製品は、仮に事故が発生した場合の事故の危険性が大きく、被害も重大であることから、特定製品へ指定して規制対象とし、技術基準に適合しない製品の販売を規制することとなった。

経済産業省は、マグネットセットや水で膨らむボールを購入しないこと、既に同製品を購入している場合は乳幼児に触らせないことを注意喚起した。

【参照ページ】
子供の安全のため玩具への新たな規制が導入

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る