農林水産省、農産物生産の排出量を「見える化」支援

農林水産省

9月12日、農林水産省は、フードサプライチェーンにおける脱炭素化を推進するため、農産物の生産段階における温室効果ガスを算定できる「温室効果ガス簡易算定シート」(試行版)を公表した。

農林水産省では、令和2年度から「フードサプライチェーンにおける脱炭素化の実践とその可視化の在り方検討会」を開催し、生産段階の温室効果ガスを算定できる「温室効果ガス簡易算定シート」の検討を行ってきた。今回、本シートを試行版として公表し、関心のある生産者や地方自治体、民間企業等が利用できるようになった。利用希望者は農林水産省ウェブサイトから登録する必要がある。

簡易算定シートのポイントは以下の通り。

  • 生産者が生産段階で実際に使用する農薬・肥料等の資材投入量や農業機械や施設暖房等のエネルギー投入量等を入力することで、温室効果ガス排出量が算定できる。
  • 地域の慣行農法を想定して算定した排出量(標準値(都道府県別又は地域別))と比較して、削減量や削減率を算出できる。
  • 現在の対象品目は米、トマト(露地と施設)、キュウリ(露地と施設)の3品目。今後、対象品目を拡大していく予定である。
  • 分解しにくい形態の炭素を長期間地中に貯留する技術であるバイオ炭の農地施用や水田からのメタン排出を削減する栽培技術である中干し期間の延長による温室効果ガスの削減効果を反映することが可能。
  • 先行して行った本シートによる算定結果を利用して、温室効果ガス削減効果を「見える化」した農産物を実証販売する。

【参照ページ】
農産物の脱炭素の「見える化」をしてみませんか

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2025-10-27

    【2026年本格適用】CBAM(炭素国境調整メカニズム)への実務対応ガイド

    2026年1月からEUでは炭素国境調整メカニズム(Carbon Border Adjustment…
  2. 2025-10-27

    GRIとCDP、環境報告の共通化へ―新マッピングでデータ活用を促進

    10月21日、国際的なサステナビリティ報告基準を策定するGlobal Reporting Init…
  3. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る