370名以上の現役サステナビリティ関係者があつまる「サステナブルコミュニティ」、設立2周年イベントを開催【イベントレポート】
2023年5月20日、サステナブルコミュニティの2周年イベントがミッドタウン八重洲ホール&カンファレンスで開催された。本イベントはサステナブルコミュニティメンバーが一同に集まる年に一度の催しで、昨年の参加者数を超える112名が参加した。
本コミュニティは2021年の春にTwitterで集まった有志によって立ち上げられたコミュニティである。本コミュニティは企業のサステナビリティ担当者をはじめ、コンサルタントや機関投資家・ESG関連のスタートアップ企業などのサステナビリティに関連する多様なメンバーで構成されており、2023年5月末時点で370名超のメンバーが参画している。本コミュニティのミッションはサステナビリティに関する様々なテーマに関する情報交換を通じ、メンバー同士のの相互学習とエンパワーメントを達成し、Build Forward Better*の実現に貢献することである。
*SDGsの達成に向けて社会を前進させる、後戻りせず前に向けて改善、改革行動を積み重ねる
【イベント詳細】
開催日時 :2023年 5月 20日(土)14:00-18:00
開催場所 :ミッドタウン八重洲ホール&カンファレンス
イベントスケジュール
14:00〜 イベント説明
14:03〜 コミュニティからのご挨拶
14:18〜 グループ交流①
14:50〜 サスピーチ!
15:30〜 休憩(席替え)
15:40〜 グループ交流②
16:10〜 スポンサー様セッション
16:30〜 ネットワーキング
17:45〜 終了の挨拶・集合写真撮影
「橋渡し」としてのサステナブルコミュニティ
はじめにサステナブルコミュニティの発起人である山路祐一氏からの挨拶があった。山路氏はコミュニティのこれまでの変遷を述べる中で、「弱いつながりの強さ理論*」を強調した。山路氏によると、この理論こそがサステナブルコミュニティの本質であるという。つながりが弱いことが有益なのではなく、これまで機会がなくつながっていなかった者同志をつなぐ「橋渡し」こそが、本コミュニティが担うべき役割であると語った。
*スタンフォード大学の社会学者マーク・グラノベッターが1973年に論文発表した理論
『一般社団法人サステナブルコミュニティ』の設立発表
「橋渡し」としてのコミュニティの意義をより深く、そして広くするための次のステップとして、コミュニティの一般社団法人化という大きな発表もなされた。3年目に突入するコミュニティの活動をより拡大し、強固なものとするため、コミュニティメンバーへの啓発やセミナー開催、他団体との連携など、できることを貪欲にやっていこうという姿勢を示した。
それに伴い、コミュニティ内におけるアドバイザリーボードの設立も発表された。
また山路氏は、コミュニティを一般社団法人化するにあたり、2030年までのコミュニティの長期ストーリーを掲げた。
「2030年、サスコミュには グローバルで 3,000 人のメンバーがいる。
世界のサステナコンサル市場規模が2028 年に 119 億 4,000 万米ドル予想のなかで、サスコミュはビジネスマッチング・コミュ内転職・キャリア開発支援・投資ファンド・アカデミック共同研究・政策提言など 中間支援組織的かつ活動主体者といった複合的な立場で活動している。各業界からプロフェッショナルが集まり、ビジネスや研究を始める際は「サスコミュで聞いてみる」が最初のアクションの当たり前になっている 。
メンバーのスキルや興味関心をAIが分析して連携・協業できそうなメンバーをレコメンドし、日々新たな“つながり”が生まれている。
また、海外のサステナコミュニティ、例としてPlanet People EU )、Sustainability Data Club 、My Climate Journey (北米)、サス研(ベトナムの日系コミュニティ)などとのアライアンスを組み、ヒトモノカネ情報のリソースをフル活用し、サステナキャリアのネットワークインフラとして着実に根付いている。そして、 サスコミュメンバーの QoL が高まり、 精神的にも身体的にも満足感ある人生となることで、世界がちょっとでも良くなっている。」
*サステナビリティコンサルティングの世界市場:規模・現状・予測 (2022 年~ 2028 年),QY Research
また、サスコミュが目指す世界として、「サステナビリティキャリアのネットワークインフラ」を体現すること、そしてブランドタグラインとして「サスコミュなら、できる」を掲げた。
その名もサスピーチ!サステナビリティに関する熱い想いを3分間に
1回目のグループ交流後は、安藤光展氏の司会のもと、「サスピーチ!」が行われた。
「サスピーチ!」は、一人持ち時間3分を自由に使えるスピーチの時間。13名の登壇者が自社の紹介や実現したい未来、ともに働いてくれる人の募集など、多様なスピーチを行った。
スポンサーセッション
① Believe Technology株式会社、渡邊信太郎代表
〜脱炭素のハードルをさげ民主化する〜
イベント中盤では本イベントのスポンサーによるセッションが行われた。
はじめにBelieve Technology株式会社の渡邊信太郎代表から、企業・サービスの紹介があった。同社の企業ビジョンは「脱炭素のハードルをさげ民主化する」こと。
渡辺氏は提供するサービスにより排出量算定をサポートすることで、企業には早く削減段階に注力してほしいという想いを述べた。
同社のサービスは「Scope123のサポートセット」及び排出量の算定に特化したExcelベースでのツールを展開している。
同氏はサービスの4つの特徴として、①算定の手間の削減、効率化、②計算管理ツールの提供、③専用マニュアルの作成(担当者が変わった際の対応)、④オンライン相談を挙げた。
②サステナビリティコミュニケーション協会、安藤光展代表
〜サステナネットワークの拡大を目指して〜
続いてのスポンサーセッションは、サステナビリティコミュニケーション協会代表の安藤光展氏によるプレゼンテーション。安藤氏はサステナビリティコンサルタントとして上場企業を対象としたサステナビリティ経営支援や大学教授との共同研究、書籍の執筆などを行っており、活動は多岐に渡っている。
「大事なお知らせがあります」という目を惹きつけるタイトルでプレゼンを始めた安藤氏。
お知らせは、この後に控えていた参加者同士の交流の時間であるネットワーキングでの名刺交換のお願いであった。
安藤氏からは、社団法人の立ち上げ(2016年)のお話や団体について(第三者評価、情報開示)、サステナビリティサイトアワードの開催、自己紹介があった。また、安藤氏からはテレビに出演した際のお話があり、会場は笑いに包まれた。
他にも個人ブログ「サステナビリティのその先へ」や書籍「SX & SDGs」、Twitterアカウントの紹介がなされた。
グループ交流での盛んな名刺交換
イベント中、2回に渡って行われたグループ交流。
はじめに参加者はA〜Lグループへランダムに席配置され、各々が自己紹介や名刺交換を通じ交流を深めた。
席替えをし、2回目のグループ交流へ。
想定よりも交流が密であったため、手持ちの名刺がなくなってしまった方も出てきた。
2回目ということもあり、スムーズに自己紹介は終わり、それぞれがサステナビリティ関連の話題に対する見解や、会社を立ち上げた経緯、自社の新しいプレスリリースに関しての話などに時間を使っていた。
つながりを広げるネットワーキング
イベントの最後は対面の醍醐味であり、参加者待望のネットワーキングの時間。
参加者は飲み物を片手に立食形式で食事を楽しみながら、「サスピーチ!」を踏まえてお話を聞いてみたい方、グループ交流で知り合った方、他グループで興味をもった方同士など、それぞれがつながりを求めネットワークを広げるために、会場内を自由に行き来し会話を弾ませる光景がみられた。
また会場の前方では座談会形式でのミニセッションも行われ、サステナビリティキャリアやサステナビリティリーダーシップについて熱い議論が交わされた。
コミュニティのさらなる拡大に向けて
ネットワーキングの時間もあっという間に終わりイベントは終了。
最後は参加者全員で記念撮影をし、本イベントは幕を閉じた。
【参照ページ】
〈ホームページ〉一般社団法人サステナブル・コミュニティ
〈プレスリリース〉370名超のサステナブル関係者コミュニティが一般社団法人を設立