5月19日、世界的な専門サービス企業であるAccenture(アクセンチュア)は、企業がサステナビリティ目標を達成する上で、テクノロジーは明らかに重要なミッシングピースとなり得るとの調査結果を発表した。調査対象となった経営幹部は、自社のサステナビリティ目標の達成にテクノロジーが重要であるとの見解で一致していたが、今回の調査では、ビジネス、テクノロジー、サステナビリティ戦略を完全に統合している企業はわずか7%である実態が示された。
アクセンチュアは、「テクノロジーとサステナビリティの融合」レポートにおいて、売上高10億ドル以上の企業の最高情報責任者(CIO)、最高技術責任者(CTO)、最高サステナビリティ責任者と、その直属の取締役および副社長を含む560名の経営者を対象に調査を実施した。回答者は、複数の国、産業、部門にまたがっていた。
また、回答者全員が、自社のサステナビリティ目標を達成するためにテクノロジーが「重要」または「非常に重要」と回答しており、テクノロジーはESGの取り組みにおける重要なツールと考えられていると分かった。半数近くが、技術主導のサステナビリティへの取り組みがより良い製品による収益の増加につながると回答し、49%がサステナビリティへの取り組みがソフトウェアエンジニアや技術者の人材確保に役立つと回答している。
しかし、サステナビリティ戦略にテクノロジーを組み込む利点は認識されているものの、経営幹部は、さらなる統合を阻むいくつかの障壁を強調した。その障壁とは、回答者の40%が第一の障壁として挙げた「すぐに使えるソリューションの不足」、「ソリューションの導入に伴う複雑さ」(33%)、「テクノロジーの予期せぬ結果に対する認識不足」(20%)などだ。
また、本調査では、技術に重点を置く主要な経営幹部が、サステナビリティの取り組みにまだ十分に関与していないことも指摘されている。調査対象となったCIOのうち、サステナビリティの目標を設定する企業のリーダーシップチームに所属しているのは半数以下であり、これらの目標の達成度を評価しているのは45%に過ぎなかった。
報告書では、サステナビリティ目標の達成に貢献する技術カテゴリーを調査した。気候面では、人工知能(AI)が特に有効であり、生産・業務における排出量の削減に成功した企業の70%、カーボンフットプリント報告の測定・開示における透明性を高めた企業の75%が、目標達成のためにAIを活用していた。
また、本調査では、企業のテクノロジー戦略やプロセスへのサステナビリティの統合についても調査した。アクセンチュアによると、2007年にはCO2排出量の1.5%に過ぎなかった情報通信技術分野が、現在では4%を占め、2040年には14%まで増加する可能性があることから、この検討はますます不可欠になっているという。報告書では、当該分野には大きな改善の余地があることが示されている。例えば、ソフトウェア開発活動に持続可能性の原則を組み込むための重要なステップを踏んでいる回答者はごくわずかであった。
【参照ページ】
(原文)Uniting technology and sustainability
(日本語訳)Accentureサーベイ、ESGの目標達成にはテクノロジーの統合が不可欠