1月15日、プロフェッショナル・サービス企業であるPwCが発表した新しいグローバルCEO調査によると、CEOの大多数が、気候変動がもたらすリスクや機会に対応するための一連の行動を計画中、実施中、またはすでに完了している。3分の2の企業が従業員のスキルアップや再教育を検討しており、気候変動に配慮した新しい製品やサービスの革新に取り組んでいる企業は4分の3を超えた。
PwCの第27回年次グローバルCEO調査は、105カ国の4,700人以上のCEOを対象に実施された。
調査によると、CEOは世界経済の成長について前年調査よりも楽観的である。今後12ヶ月間の成長率の低下を予想する割合は、昨年の73%から半数以下(45%)に減少し、インフレ、経済変動、地政学的紛争などの要因にさらされる可能性が低いと推測している。
しかし、目先の要因へのエクスポージャーが緩和された一方で、気候変動や技術的破壊といった長期的なメガトレンドへの注目が高まっていることがわかった。
回答者は、企業が価値を創造し、提供し、獲得する方法の変化を促す要因として、気候変動が最も大きく増加する要因の一つとして挙げた。過去5年間では22%に過ぎなかったのに対し、今後3年間では30%のCEOが「大規模」または「非常に大規模」な変化を予測している。
CEOが報告した気候変動に関連する取り組みには、エネルギー効率の改善が含まれており、65%が現在着手、10%が完了、14%が計画中である。気候に優しい新しい製品技術またはサービスの開発は、58%が進行中または完了し、20%が計画中。資産と従業員を気候リスクから保護するための取り組みは47%が進行中または完了し、21%が計画中。従業員のスキルアップまたは再教育のための取り組みは、44%が進行中または完了し、23%が計画中である。
一方で、気候関連の取り組みが進展しているにもかかわらず、多くのCEOがこれらの行動のいくつかを追求する可能性が低いことが判明した。本調査によると、31%が気候リスクを財務計画に組み込む計画がなく、30%がスキルの再教育やスキルアップを期待していない。 29%は資産と従業員を気候リスクから保護する計画を持っていない。
本調査の重要な発見の一つは、気候変動に対する投資の収益率を低く設定することをCEOが受け入れる傾向が強まっていることである。低い収益率を受け入れている企業のほとんどは、ハードルレートを1~4ポイント低く設定している。
【参照ページ】
(原文)Thriving in an age of continuous reinvention
(日本語参考訳)PwCのCEO調査:3分の2以上の企業、気候変動というメガトレンドに対応するため、従業員のスキルアップを計画