Arkema、2030年までにバリューチェーン全体の排出量を半分以上削減へ

5月5日、特殊素材メーカーのArkemaは、排出削減目標の更新を発表した。2022年に最初の目標を設定して以来、気候変動への取り組みが進展したことを受け、バリューチェーンの直接・間接排出の両方について2030年目標を引き上げた。

Arkemaの新しい気候変動目標には、2019年基準で、2030年までにスコープ1と2の排出量を48.5%、スコープ3の排出量を54%削減する目標が含まれている。2022年7月に設定された以前の目標は、すべてのスコープにおける排出量の46%削減だった。

スコープ3の排出量は、サプライチェーンや製品の使用を通じて発生する排出量など、企業が直接管理できないもので、Arkemaの温室効果ガス(GHG)フットプリントの大部分を占めている。Arkemaは、2030年までに、再生可能またはリサイクル可能な原材料の割合の増加、カーボンフットプリントの低い原材料の選択、最も排出量の多い活動の削減、ポリマーのリサイクルルートの開発などの取り組みを通じて、スコープ3の排出量を2019年の1億5,200万トンCO2換算から7,000万トンに削減することを目指すと発表した。Arkemaは、GHG排出量削減に貢献する製品やソリューションの開発も目指すと述べている。

最近ENGIEと締結したバイオメタン供給契約など、自社施設で消費される低炭素の蒸気や電気の割合を大幅に増やすことや、エネルギー効率の改善や施設の最適化などの計画により、スコープ1と2の排出量を370万トンから190万トンに削減することも目標としている。

また、Arkemaは、同社の2030年の気候目標が、Science Based Targets initiative(SBTi)により、1.5℃の軌道に乗ることが承認されたことを発表した。

【参照ページ】
(原文)Arkema raises its decarbonization targets and obtains SBTi validation for its 1.5°c trajectory by 2030
(日本語訳)アルケマ、2030年までにバリューチェーン全体の排出量を半分以上削減へ

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 2025-10-20

    SEC議長、ESG株主提案の政治化に警鐘―「企業統治の本質に立ち返るべき時」

    10月9日、米証券取引委員会(SEC)のポール・S・アトキンス議長は、デラウェア大学のジョン・L・…
  2. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る