3月6日、KDDI株式会社、三菱重工業株式会社、NECネッツエスアイ株式会社は、脱炭素に貢献するサステナブルなデータセンターを目指し、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置の大規模構成での利用を想定した実証実験を行い、冷却設備におけるティア4レベルでの安定稼働に成功したと発表した。
今回の実証実験は以下3つの成果をあげた。
- 冷却効率の立証:最適化された外気空冷を行うフリークーリング装置を含む液浸システムを開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化をすることで、サーバー冷却のために消費される電力の94%削減とPUE値1.05を実現した。
- 高可用性の実現:液浸冷却装置およびフリークーリング装置に高い可用性を持たせ、ティア4レベルの液浸データセンターでの実装設計を具現化し、安定稼働の成立性を立証した。加えて、IT機器が発する騒音は空冷方式に比べて約35dBの低減を実現した。
- 商用化を見据えた、保守マニュアル整備:国内での商用利用を見据え、保守体制の検討、保守マニュアルの整備も含めた実践的な運用を行った。
3社は、大規模データセンターからコンテナ型データセンターまで幅広い活用を想定し、2023年度中に液浸データセンターの提供を開始する。