三井住友信託、「人的資本サーベイ」を実施 78%の企業が施策不足であると指摘

三井住友信託、「人的資本サーベイ」を実施 78%の企業が施策不足であると指摘

2月16日、三井住友信託銀行は、540 社の国内企業を対象に、人的資本経営と深い関係性にある従業員の「Well-being」に着目した『人的資本サーベイ』を実施し、結果を発表した。

サステナブル経営への世界的な関心の高まりから、企業は財務だけではなく財務・非財務の双方から社会課題の解決を迫られ、投資家はESG投資を積極化している。このような環境下、昨今では、人材版伊藤レポート、人的資本可視化指針等の各種指針・ガイドライン公表も背景に、「社会(S)」への取り組みである人的資本経営への注目度が高まっている。また、資産所得倍増プランでは企業における雇用者の資産形成支援の重要性に言及している。

同社は2017年以降ガバナンスサーベイを毎年実施し、参加企業が財務・非財務の双方から自社の課題を把握することに寄与している。本年度実施したガバナンスサーベイ2022(1,879 社が参加)では、従業員エンゲージメント向上への取り組みについて、投資家は企業以上に「Well-being 視点の取り込み」が有効であると考えていることが判明した。

今回のサーベイの調査結果サマリーは以下である。

Well-being 全体について方針と施策のバランスは方針先行(施策不足)の可能性あり
各社の方針と施策の取組み状況をそれぞれ定量化、双方のスコアギャップ算出結果から、方針先行(施策不足)の可能性がある企業の割合は 78%に上った。方針と施策のバランスに加え、同業種平均に対する高低により4タイプへと分類。同業種平均を下回り、施策の取組み状況不足の可能性があるタイプが最多43%となった。

会社の重視したいキャリア・アンカー(従業員の価値観)は業種により顕著な差
企業規模と業種の違いにより回答結果に差があり、特に業種ではその差が顕著に見られた。業種による差は、経営戦略上必要とする人材要件(事業特性)に起因するものと推察される。

【参照ページ】
『人的資本サーベイ』の実施について

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    2024-11-18

    ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    サステナビリティを推進には新しい知見の収集が必須。しかし、必要なセミナー情報を見つけるのに時間がか…
  2. ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント

    2024-11-18

    ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント(再掲)

    サステナビリティ情報、非財務情報、ESGデータなど企業のサステナビリティの取り組みを示す情報は、投…
  3. 2024-11-15

    【PR】12/3 記念イベントESG評価スコア改善『S&Pに聞く!2025年に向けたCSA徹底解剖』 (オンライン)

    いつもESG Journal Japanをご覧いただきましてありがとうございます。 ESG評…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る