8月25日、カーボンオフセット基準管理団体Verraは、バイオ炭の生産と土壌やその他の新たな用途での利用による排出削減を定量化するための方法を承認した。
世界有数の温室効果ガス(GHG)クレジットプログラムであるVerified Carbon Standard(VCS)プログラムにおける新しい方法は、炭素除去に対する自然ベースのアプローチの利用可能なポートフォリオを広げることになる。
バイオ炭とは、バイオマスを高熱と酸素の少ない環境に晒して作られる、炭素を多く含む固形物である。バイオ炭に含まれる有機炭素は、土壌や非土壌中に数百年から数千年単位で存在し続ける。故に、バイオ炭は、地球規模で大規模に展開されれば、近い将来、大規模な二酸化炭素除去技術として気候変動と戦う高い可能性を持っており、2050年までに少なくとも年間10億トンの二酸化炭素を削減する可能性を持っている。
また、バイオ炭は、土壌改良材として使用した場合、栄養分や水分の保持、通気性、排水性、微生物活性の向上など、さまざまな農業上の利点があるため、特に劣化した農地において作物収量の増加や土壌の健全性の向上に貢献する。また、コンクリートやアスファルト産業、建築資材など、低排出量の工業製品として有望視される土壌以外の最終用途も数多く登場している。
今回発表された方法は、バイオ炭産業、ボランタリーカーボン市場、方法論開発などの専門知識を持つFORLIANCE、South Pole、Biochar Works、Delaney Forestry Servicesなどの外部コンソーシアムが共同で開発したものだ。
【参照ページ】
(原文)Verra Releases Biochar Methodology
(日本語訳)Verra、バイオ炭を利用した炭素除去への道を開く