1月21日、ソフトバンクは、同社として初めてとなるサステナビリティーボンド総額300億円の発行条件を決めた。年限はそれぞれ7年と10年。
今回調達するサステナビリティボンドは、成層圏から広域エリアに安定した通信ネットワークを提供する成層圏通信プラットフォーム(HAPS)事業に資金使途を限定したHAPSボンドで、HAPSに関わる設備投資や研究開発、事業運営などに充当する予定だ。
生活に必要不可欠な社会インフラである通信ネットワークを提供するソフトバンクは、六つのマテリアリティのうち「質の高い社会ネットワークの構築」と「人・情報をつなぎ新しい感動を創出」への対応として、安定した通信ネットワークの整備を通して、全ての人が平等に必要なサービスを利用でき、情報を得られる環境の構築を目指している。この取り組みは、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」と目標10「人や国の不平等をなくそう」を推進するもので、その推進に重要な役割を担うのがHAPS事業である。
HAPSは、成層圏に飛行させた航空機などの無人機体を通信基地局のように運用することで、山岳部や離島、発展途上国など、通信ネットワークが整っていない場所や地域に、安定したインターネット接続環境を構築することができる。地上から提供する通信ネットワークとHAPSを効率的に相互連携させることで、より広域なネットワークカバレッジを実現でき、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支えるインフラとしても期待されている。また、HAPSは成層圏から安定した通信ネットワークを提供できるため、大規模な自然災害発生時の人命救助や復旧活動への活用も期待できる。さらに、ソフトバンクの子会社でHAPS事業を推進するHAPSモバイル株式会社(HAPSモバイル)が開発した無人航空機「Sunglider(サングライダー)」は、太陽光で稼働するため、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の達成にも貢献する。
ソフトバンクは、「HAPSボンド」の発行に当たり、国際資本市場協会(ICMA)が定めるガイドラインに基づき、調達資金の使途、プロジェクトの評価と選定プロセス、調達資金の管理およびレポーティングに関する方針を定めたサステナビリティボンド・フレームワークを策定した。このフレームワークは、「グリーンボンド原則2021」(ICMA)、「グリーンボンドガイドライン2020年版」(環境省)、「ソーシャルボンド原則2021」(ICMA)、「ソーシャルボンドガイドライン」(金融庁、2021年10月策定)および「サステナビリティボンドガイドライン2021」(ICMA)との適合性に関するセカンド・パーティー・オピニオンを、独立した外部機関である株式会社日本格付研究所から取得している。