BlackRockレポート: Seeking outperformance through sustainable insights – 新たなESG情報収集・インサイトが投資パフォーマンスを向上させる

Blackrock2-1

10月19日、BlackRockは新しいリサーチペーパー「Seeking outperformance through sustainable insights」を発表した。このペーパーでは、新しいサステナビリティに関するデータやリサーチを利用することで、投資家がサステナブルなビジネスプラクティスやビジネスモデルを特定し、投資のアウトパフォーマンスにつなげる方法について説明している。

BlackRockによると、2050年までにグローバルなネット・ゼロ・エコノミーに移行するためには、50~100兆ドルの資本投資が必要であり、資産価格に大きな影響を与え、新たな投資機会とリスクを生み出すとしている。BlackRockは、サステナビリティが投資リターンに影響を与えるいくつかの重要な方法を紹介している。例えば、「気候変動に対応できる」企業の資本コストの削減、持続可能なビジネスプラクティスを特定するための新しいデータソースや調査の利用、持続可能な企業への資本シフトに伴うファクター投資と持続可能な投資との間の新たな交差などが挙げられる。

本レポートで取り上げられている重要な現象の1つは、過去数年間に企業のESG関連のデータポイントが数百、あるいは数千に及ぶようになったことだ。ESGデータの普及は、企業の持続可能性のプロファイルや活動を検証する新たな機会を生み出したが、一方で、財務パフォーマンスに対する重要性の判断や異なる基準や方法論間の比較可能性の見極めなど、新たな課題も提示しています。BlackRockはこれらの課題を市場の非効率性と捉え、差別化されたインサイトや投資調査を通じて機会を創出することができると考えている。

BlackRockは、持続可能な行動や活動を特定するために使用している従来とは異なる情報源として、電話会議、ウェブサイトへの投稿、政府の報告書などからの情報収集や、企業のグリーン・クリーンエネルギー特許の定量化などを挙げている。また、低炭素経済への移行に貢献する技術やビジネスモデルの特定、特にクリーンエネルギーやマイクロファイナンスなどの業界にも注目している。

BlackRockはこのようなアクティブ・マネジメントの知見を活用して、顧客に持続可能な投資機会を提供している。同社は、持続可能な投資プラットフォームで4,000億ドル以上を運用しており、今後10年間で1兆ドルに拡大することを目標としている。

【参照ページ】Seeking outperformance through sustainable insights

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-12

    BCG支援のVC、Bキャピタル、気候変動プラットフォームのリードへ向け新たな幹部を発表

    4月8日、マルチステージのベンチャー投資会社であるBキャピタルは、気候変動投資プラットフォームの拡…
  2. 日本、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    2024-4-11

    SSBJ(サステナビリティ基準委員会)、IFRSベースのサステナビリティ報告基準案を公表

    4月3日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(…
  3. 2024-4-11

    ブラックロック、ESG政策を理由に1.3兆円の資産売却を決定したテキサス州を「無謀」とし、再考を促す

    3月21日、ブラックロックは、テキサス州教育委員会がエネルギー企業への「ボイコット」とESG投資慣…

アーカイブ

ページ上部へ戻る