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【独占取材】小泉環境大臣も登壇!1,000名以上が参加したオンラインイベント「BRIDGEs 2021 - ESG&SDGs Meeting -」開催の裏側【第2回】
2021年現在、大企業をはじめとする多くの企業がESG・SDGsへの取り組みを加速させている。その中で大企業の若手・中堅メンバーはESG・SDGsについて何を思い、どのように社内外の活動に向き合っているのだろうか。ESG Journal Japanは、大企業の若手・中堅有志団体の実践コミュニティ「ONE JAPAN」から生まれた、ESG・SDGsに取り組むプロジェクト「BRIDGEs」11名のメンバーに取材した。
第2回インタビューでは、3名のメンバーにBRIDGEs初のオンラインイベント開催までのプロセスや開催後の反響、今後の展望について語っていただいた。
ミレニアル世代だから出来る、イベントを通じた「橋架け」
ー 大企業社員を中心に1,000名以上が参加し大成功を収めたオンラインイベントでしたが、コンテンツの企画はどのように進んでいったのでしょうか?
【大辻】実は、今年の春に日本の大企業の若手・中堅有志団体の実践コミュニティ「ONE JAPAN」を通じて回答を得た大企業所属の1,000名アンケートで「日本の企業に勤める20代・30代は、欧米の20代・30代に比べてESG &SDGsに対する危機感や行動意識が低い」という結果を得ていました。
【田中】そうそう。アンケートの中で、気候変動に対する危機感を聞いたところ、「20代、30代、40代、50代と年齢が高くなるほど危機感が高い」という、我々にとっては意外な結果が出たんですよね。世界的にもZ世代をはじめとする若者の環境意識の高さが言われているので、企業においても「20代をはじめとする若手の方が年齢層が高い人よりも意識が高いはず」という仮説を持っていましたが、その予想とは真逆の結果が得られたわけです。他にも、SDGsと比較して、ESGの認知度が低いことや、CSR・ESG・SDGs等のワードが混同されて認知されていることも分かりました。
最近ではSDGs企業ランキングなども見かけますが、基本的には企業の担当部門が情報開示した内容などを基に評価されているはずです。それはそれで重要であると思いますが、一方で、実際に一人ひとりの社員はどれくらいE/S/Gのポイントを理解して、どこまで当事者意識を持っているのかといった「リアルな実態」まで評価されていないのではと思い、今回のアンケートやイベントで見える化していきたいと考えました。
【大辻】あとは、これまでの勉強会を通じて「これからの未来を担っていくZ世代と大企業のリーダー(経営層)を橋渡しすることで、未来を変えられるのでは?」という考えも生まれてきました。自分たちが未来を変えていく方法の選択肢の1つとして「我々(ミレニアル)ならではの橋架け役ができる」という考えです。
【松葉】もともと世代や国・文化でギャップがあって、そこに橋を架けることにフォーカスをして、イベントが出来上がっていった感じですよね。
【大辻】そうですね。我々の世代、かつ、今の会社のポジションだからできる「橋架け」があるんじゃないかと、紆余曲折しながら3〜4ヶ月間、全員で議論をしました。そうして、ESGやSDGsとまだ距離があるターゲット層に発信力がある人を呼んで、初めて聞く人でもしっかり解釈できるイベントにしようという話になっていきました。
小泉進次郎環境大臣・水野弘道氏も参加した
ー イベントには水野弘道さん*や小泉進次郎さん*もパネリストとして登壇されました。どのような経緯で招聘できたのでしょうか?
【大辻】当初、BRIDGEsは何をする団体なのかを「立ちすくむ国家」(経済産業省の若手プロジェクトが平成29年に発表したレポート)のように課題や仮説を提案するレポートを通じて発信できたらいいよね、という話をしていました。イベントの前に独自のレポートを通じて世の中に問いかけ、それに応える形でイベントを開催しようという計画でした。
そのレポートをまとめているときに、水野さんの資料を何度も参考にさせて頂いていて、イベントを開催する際には水野さんにご登壇頂き、企業がESGに取り組む本質的な意味を改めて、我々が設定したターゲット層にお話しして頂きたいと強く思い、説明資料の準備を入念にして、ご連絡しました。同時に、水野さんにご登壇頂く貴重な機会を活かすべく、1,000名以上の参加規模のイベントにしたいと考えるようになりました。
小泉進次郎さんには、BRIDGEsの活動内容をまとめたペーパーを、馬場さん経由で以前にお渡ししていたという経緯があり、BRIDGEsという活動を知って頂くことが出来ていました。そのご縁を起点に、イベントで多くの企業人に語りかけて頂きたいと調整を重ねていったところ、幸運にも実現に至りました。
ー イベント企画段階で工夫した点を教えてください。
【大辻】BRIDGEsとしては「大企業の役員でさえ、悩みを抱えながらも取り組んでいる」と「Z世代は自身が描いている理想の未来に向けて等身大で取り組んでいる」という2つの取り組みの姿勢を知ることで、その間に位置する我々の世代ができる橋掛けについて気付きを得てもらうということも1つの狙いに置いて、セッションを組み立てました。
こういった「自分も何かができる」という気付きで、心に火を点けてもらい、自分事化して明日からちょっと変わってもらえたらと工夫してみたという感じです。うまくいったかはわかりませんが。(笑)
ー イベント後、参加者の方からどういう反響がありましたか?
【田中】社内の若手メンバーからは「ESGやSDGsは意識が高い人たちのものだと思ってたのが、イベントに参加したら身近に感じた」という声がありました。まさに自分事と捉えてもらえて嬉しくなりましたね。
【松葉】実際にアンケートでも「水野さんの話がわかりやすかった」「和田さん*や松本さん*のお話で、ESGとSDGsの違いがよくわかった」など、テーマ理解が進んだという反応が多かったですね。「よくあるセミナーだと、やらなきゃいけないことはわかるけど、どうやってやるのかが具体的に話されないが、今回のセミナーはそういう話が聞けて、自分が実践できること次に何をすればいいか見えた」という意見もありましたよね。
【大辻】また、Z世代のセッションで自分よりも下の世代が、身近な問題に対して具体的に動いてるのを見て、「下の世代がやっているのだから我々もやろう」という気持ちになった人たちも多かったように感じます。
※文中に登場するメンター・パネリストのバックグラウンドは以下イベント資料に記載
「BRIDGEs 2021 - ESG&SDGs Meeting -」イベント資料
イベントはBRIDGEsの「始まりの合図」
ー イベント後に、世代間やセクター間に橋が架けられるような出来事はありましたか?
【田中】イベントでも紹介をしたBRIDGEsのFacebookグループへの参加者が500人に近づいています。イベント参加者が1,250人ぐらいだったので、そのうちのかなりの割合がグループに参加してくれており驚いています。グループの参加者は企業人に限らずダイバーシティがあり、色々な領域の方々がいるのは新鮮かつ可能性を感じています。
【松葉】先日、そのFacebookコミュニティに「LIMEXのレジ袋をどうしたらいいのか?」と投稿したら、多くの反応が返ってきました。自分が関心がある領域は結構マニアックなことが多いのですが、真面目に打ち返してくれる人がこんなにも沢山いるんだ、ということに感動しましたね。
【大辻】たしかにイベント後に繋がれた人たちも多く、今回のイベントは「始まりの合図」だったと思います。「BRIDGEsって何者なんだ?」といった声が、社内外から多く届き、一緒にコラボできる方との繋がり、社内で今まで話したことがなかった人たちとのコミュニティも出来ました。
ー 今後、中長期的にBRIDGEsとしてやっていきたいことを教えてください。
【大辻】イベントを開催していくとか、プロジェクトを起こすとか、そういう機会を通じて、BRIDGEsを通じて出会った方々と、笑いながらお互いを高め合える関係を構築していきたいですね。そして、事業創出に挑戦したいです。
【田中】程よい緩さと心理的安全性があって、自分が興味持った事について詳しい誰かが答えてくれたり、意見を言い合える。そんな活性化された場所を作れたら、それだけでもかなり価値があると思います。社内だと相談相手がいないような人が越境できて、外と繋がることを増やしていきたいです。この指とまれ形式でフォロワーが集まって、プロジェクトがどんどん生まれてくる、ような「場」をつくれたらと考えています。
【松葉】私は最終的にBRIDGEsというコミュニティをうまく活用しながら、日本の企業文化や仕組みを変えて、何らかの社会課題解決をビジネスとして持続的に回せるといいなと思っています。
オンラインイベントに終わらず、社内外を巻き込んでESG・SDGsの実践を推進するBRIDGEsの今後の活動に注目したいと思います。また次回は広報の観点からBRIDGEs・大企業で活躍するメンバーにお話を伺います。
<前回記事>
【独占取材】大企業の若手・中堅がESG&SDGsに本気で取り組む!「BRIDGEs by ONE JAPAN」プロジェクトとは?【第1回】
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またESG Journal Japanでは、上記取材記事以外にもESG・SDGsに関する多くの記事・コラムを作成しています。文中にあったLIMEXなど記事なる記事は是非以下リンクからご覧ください。
代替プラスチック「LIMEX」を提供するTBM、韓国財閥SKと135億円の資本業務提携