エネルギーおよびコモディティ市場の情報、ベンチマーク、分析を提供するS&P Global Plattsと、ESGに特化したコモディティマーケットプレイスを提供するXpansivは、世界の炭素市場における透明性の向上を目的とした新たなパートナーシップの開始を発表した。今回の提携により、両社はボランタリーカーボンマーケット（VCM）商品の評価された日次終値の開発と配信を共同で行う。

温室効果ガスの排出を抑制するカーボンオフセットプロジェクトおよび関連するクレジットに対する需要は、今後数年間で大幅に増加することが予想されている。これは、企業や事業者がネット・ゼロの目標を掲げ、自らの絶対的な排出削減努力への橋渡しとして、あるいは排出を回避することが困難な場合のバランスをとるために、オフセットを利用するケースが増えているからだ。

今月開催されたCOP26気候サミットでは、ボランタリーカーボン市場のためのグローバルな会計ルールブックが制定され、一貫性と透明性のある枠組みの提供により市場は大きく前進した。Platts社とXpansiv社は、この新しいルールが、コラボレーションを発展させるための強力な基盤となったと述べている。

S&P Plattsは炭素市場評価の分野で積極的に存在感を高めており、今年初めにはCORSIA適格炭素クレジットの初の日次自主的炭素クレジット評価（Platts CEC）を開始し、最近ではPlatts CECを再生可能エネルギー炭素クレジットやメタン回収炭素クレジットの評価に加え、大気中に発生・放出する排出量を削減する回避型プロジェクト（Platts CAC）や積極的に排出量を回収・隔離する除去型プロジェクト（Platts CRC）など、7つのプロジェクトタイプに拡大している。

今回の合意により、Xpansivは日々の市場価格評価の開発と管理のためにPlattsに提供するデータを拡大し、また両社は市場参加者と協力して、急速に進化する需要に対応するための新しいタイプの価格評価やスポット契約を開発する。

【参照ページ】
（原文）S&P Global Platts and Xpansiv Partner to Advance Price Transparency in Global Carbon Markets
（日本語訳）S&P Global PlattsとXpansiv、ボランタリーカーボン市場の透明性向上のために提携