CDP、Aリスト2024を発表―市場対応型の環境リーダーは2%にとどまる

4月17日、環境情報開示の世界的プラットフォームであるCDPは、2024年のスコアリング結果を公表し、過去最多となる22,700社超が評価対象となった一方、最高評価「Aスコア」を獲得した企業はわずか515社(全体の2%)にとどまったことを明らかにした。気候変動、水資源、森林保全の各分野にまたがる統一質問票の導入により、情報開示は加速しているが、実際に統合的な環境行動と透明性を備えた企業は依然として少数である。

2024年は気候変動で462社、水資源で133社、森林分野で26社がAスコアを取得し、いずれも前年を上回る結果となった。CDPによると、Aリスト企業は過去10年間で平均6%高い株主リターンを記録しており、環境リーダーシップが財務的競争力にも直結することが裏付けられた。また、環境課題への積極的対応が、投資家・顧客・規制当局からの信頼獲得と事業の持続可能性向上につながっているとした。

CDPのシェリー・マデラCEOは「Aリスト企業は透明性を成長の手段ととらえ、環境対応をガバナンス・戦略・業務に織り込んでいる」と述べ、2025年を“透明性から行動への転換”の年とするよう呼びかけた。

(原文)CDP A List 2024: Only 2% of Companies Demonstrate Market-Ready Environmental Leadership
(日本語参考訳)CDP Aリスト2024:市場対応型の環境リーダーシップを発揮している企業はわずか2%

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-14

    【最新】欧州議会、CSRD・CSDDD簡素案を採択

    11月13日の欧州議会の本会議にて、CSRDおよびCSDDD(企業サステナビリティ報告およびデュー…
  2. 2025-11-13

    GX-ETS:割当調整・移行計画・価格制御の方向性が明らかに

    11月7日、経済産業省は、第5回産業構造審議会イノベーション・環境分科会 排出量取引制度小委員会を…
  3. 2025年・COP30開幕!サステナビリティ経営・実務における注目テーマ整理/実務への影響解説

    2025-11-11

    2025年・COP30開幕!サステナビリティ経営・実務における注目テーマ整理/実務への影響解説

    11月10日から21日まで、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第30回締約国会議(COP30)…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る