
3月12日、米国上院銀行委員会のメンバーであるビル・ハガティ上院議員(共和党、テネシー州選出)は、2025年版「PROTECT USA(Prevent Regulatory Overreach from Turning Essential Companies into Targets)法案」を提出した。本法案は、欧州連合(EU)の越境的な規制が米国企業に与える影響を防ぐことを目的としている。
同氏が問題視しているのは、2024年5月にEUが採択した「企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)」 である。本指令は、国際条約の規範を法的拘束力のある義務として米国企業にも適用するもので、EUの「ネットゼロ」炭素排出目標やESG基準への適合を米国企業に強制する。違反した場合の厳しい財務制裁 に加え、大企業に対してサプライヤーのESG準拠状況を監視する義務も課されることが、中小企業にとって間接的な打撃となると指摘している。
ハガティ議員は、「米国企業は米国の法律に従うべきであり、外国の官僚による規制の影響を受けるべきではない」と述べ、EUの規制を「米国の主権に対する侮辱」と批判。「あらゆる手段を用いて阻止する」との意向を示した。
PROTECT USA法案は、EUの規制が米国企業に及ぶことを防ぐため、以下の3つの措置を導入することを目指す。
- 特定の米国企業が外国のサステナビリティ・デューデリジェンス規制に従うことを禁止
- この規制に関連した行動・不行動を理由に、米国企業に対する不利益措置を取ることを禁止
- 規制による損害を受けた企業が民事訴訟を起こす権利(プライベート・ライト・オブ・アクション)を確立
【参照ページ】
(原文)HAGERTY INTRODUCES LEGISLATION TO PROTECT U.S. BUSINESSES FROM EUROPEAN REGULATORS’ POWER GRAB
(日本語参考訳)ハガティ、欧州規制当局の権力掌握から米国企業を守る法案を提出