4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表した。同社が直接製造に費やす費用の95%に相当する320社以上のサプライヤーが、2030年までにアップルの製造に再生可能エネルギーを100%使用することを約束し、昨年の約250社から増加したことを明らかにした。
製品製造による排出は、アップルのカーボンフットプリントの3分の2近くを占め、中でも電力使用は最大の要因となっている。これらの排出量に対処することは、アップルが2020年に掲げた「2030年までに事業全体、製造サプライチェーン、製品ライフサイクルをカーボンニュートラルにする」という野望を達成するための戦略の主要部分を形成している。
2022年10月、アップルはサプライチェーンに対し、アップルに関連するスコープ1および2の排出フットプリント全体を脱炭素化するよう求め、これらの目標に向けた進捗を、ビジネスアワードを授与する際に考慮する重要な基準のひとつとすることをサプライヤーに通知した。それ以来、アップルのサプライチェーンにおけるクリーンエネルギーの利用は急速に拡大し、現在16.5GWに達しており、昨年より20%増加し、2022年より55%以上増加している。
アップルによると、同社のサプライチェーンは昨年、2,550万MW以上のクリーンエネルギーを生み出し、1,850万トン以上の炭素排出を回避した。
アップルはサプライチェーンに加えて、2030年までに顧客がデバイスを充電するために使用する電力をクリーンな電力に合わせることで、顧客がデバイスを使用することに伴う温室効果ガス排出量に対処するという目標に向けた取り組みも発表した。製品の使用は、Appleのカーボンフットプリントの24%を占めている。製品使用による排出に対応するため、Appleは現在、ミシガン州内の太陽光発電プロジェクトのポートフォリオに投資しており、今年後半には132メガワットのクリーンエネルギーがオンラインになる見込みであること、またスペインの太陽光発電デベロッパーib vogtと提携し、年内に105メガワットの太陽光発電を行う投資を行っていることを明らかにした。同社はこれまでにも、顧客の電力使用量に対応することを目的としたクリーンエネルギー投資をオーストラリアとテキサスで発表している。
Appleはまた、ストレスの多い場所での企業活動で使用される淡水を100%補充するという2030年の目標に向けて前進しており、河川や帯水層の回復、飲料水へのアクセスへの資金援助など、今後20年間で約70億ガロンの水の恩恵を提供するための新たなパートナーシップを立ち上げたと発表した。Appleは2013年にSupplier Clean Waterプログラムを開始し、昨年の120億ガロンを含め、現在までにサプライチェーンで760億ガロンの水を節約したと述べている。
【参照ページ】
(原文)Apple ramps up investment in clean energy and water around the world
(日本語参考訳)アップル、世界各地でクリーンエネルギーと水への投資を強化