英政府、木材建築促進でロードマップ発表。不動産からのCO2排出削減

12月11日、英環境・食糧・農村地域省は、住宅や建築物の建設における木材の利用を拡大し、ネット・ゼロを達成するための政策ロードマップ「Timber in Construction Roadmap」を発表した。

建築における木材使用は、建築物からの排出を削減する最善の方法のひとつとされる。英国のGHG排出量の約25%は建築環境によるものであり、コンクリートよりもエンジニアリング木材製品で建設された大規模建築物の方が、最大400%多くの炭素を貯蔵することができる。

本ロードマップは、建設における木材の利用を増やすというビジョンを示すと同時に、経済成長、地方の雇用、平準化のための貴重な機会を提供する。現在、英国が使用する木材の80%は輸入に依存している。国内の生産能力を向上させることで、英国経済に20億ポンド(約3,700億円)以上貢献している林業と木材加工部門に、新たなグリーン・ジョブを創出できると見込まれている。

計画で定められた主なアクションには以下が含まれる

  • 木材と全生涯炭素に関するデータの改善
  • 建築材料としての木材の促進
  • サプライチェーン全体のスキル、能力、コンピテンシーの向上
  • 持続可能な木材製品の供給増加
  • 防火上の懸念への対処、エンジニアリング・マス・ティンバー利用の安全拡大
  • 保険会社、金融機関、保証業者との協力体制の構築
  • 技術革新と高性能木材建設システムの促進

【参照ページ】
(原文)New timber roadmap launched to boost UK construction and reduce emissions
(日本語参考訳)英政府、木材建築促進でロードマップ発表。不動産からのCO2排出削減

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る