12月21日、英国政府と欧州理事会は、EVに関する現行規則を2026年末まで延長し、EVとバッテリーの厳しい原産地規則の適用を3年延期することで合意したと発表した。
2020年に調印されたEU・英国貿易協力協定には、EVが無関税貿易の恩恵を受けられるようにするため、EVとバッテリーの原産地要件が盛り込まれていた。EUと英国における国内バッテリー製造能力への投資を奨励することを目的としたこの規則は、2024年と2027年の初めに2段階で実施されることになっていた。
協定の段階的導入時期は、協定締結時に予想された業界の生産能力を反映したものであったが、協定締結後のサプライチェーンの混乱、特にコロナウイルスによるパンデミックとロシア・ウクライナ戦争によって、欧州のバッテリー生産能力の増加が鈍化したため、EUと英国は、原産地規則の2024年の変更を取りやめ、現地調達率の基準を満たさない自動車に新たな関税を課すことを防ぐという新たな合意に至った。
EUと英国はともに、今後10年間でEVへの移行を促進することを目的としたイニシアティブを実施しており、EUでは2035年からEU内で登録される新車とバンのCO2排出量を100%削減することを義務付ける規制があり、英国では2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止する規則がある(最近では2030年から延期された)。
【参照ページ】
(原文)Tariffs on electric vehicles avoided as UK and EU extend trade rules
(日本語参考訳)EUと英国、EV関税延期で合意