12月14日、パリを拠点とする国際的な銀行・投資グループであるクレディ・アグリコルは、新規の化石燃料採掘プロジェクトへの融資を停止し、石油・ガスの探鉱・生産のみを目的とする独立系生産者への融資を終了すると発表した。
本方針は、クレディ・アグリコルが発表した気候変動戦略の強化・加速を目的とした一連の施策の一環であり、特にエネルギー分野の事業を対象としたいくつかの施策や、ネット・ゼロに焦点を当てたコミットメントを新たに5つの優先分野に拡大するほか、気候変動に関する野望を実現するためのガバナンスや経営に焦点を当てた数多くのイニシアティブを含む。
HSBC、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラルも過去1年間に同様の方針を発表している。HSBCが2022年12月に方針を発表した後、他の各銀行はバークレイズとドイツ銀行とともに、1兆5,000億ドル(200兆円)以上の資産を代表する投資家を含むキャンペーンの対象となり、2023年中に新たな石油・ガス田への融資を終了することを約束するよう求められた。
クレディ・アグリコルが発表したエネルギー部門関連の追加コミットメントには、再生可能エネルギーと低炭素インフラへの注力を強化することが含まれる。2030年までに再生可能エネルギーへの年間融資額を3倍にすること、2025年までに低炭素エネルギーへのエクスポージャーを80%拡大すること、同部門での融資による排出削減を2050年のネット・ゼロシナリオの2倍のスピードに加速することなどが目標に掲げられている。
クレディ・アグリコルはまた、エネルギー転換に関与する企業に対して「選択的アプローチ」を採用し、エネルギー転換へのコミットメントを考慮した上で、エネルギーセクター企業への法人融資をケースバイケースで見直すとした。
【参照ページ】
(原文)CRÉDIT AGRICOLE ACCELERATES ITS CLIMATE COMMITMENTS
(日本語参考訳)クレディ・アグリコル、新規石油・ガスプロジェクト向け融資を終了