11月16日、投資大手ブラックロックは、エネルギー転換とエネルギー安全保障に特化したエバーグリーン・インフラストラクチャー・ファンドの初回クローズにおいて、約10億ドル(約1,500億円)の顧客コミットメントを集めたと発表した。
2022年6月に運用を開始した同ファンドは、エネルギー転換とエネルギー安全保障のテーマに沿った欧州と北米のインフラ事業への投資に重点を置く中核的なオープンエンド型のインフラ株式ファンドで、輸送、デジタルインフラ、循環型経済などのテーマ別セクターへの投資も行っている。
ブラックロックによると、同ファンドは、数十年にわたるエネルギー転換を通じた進化と成長を支援することを目的としており、これには、脱炭素化活動の実施に関するポートフォリオ企業との協力や、長期的な進捗状況の評価と報告の追跡などが含まれる。
同ファンドはまた、ポートフォリオ運用チームが1.5℃の気温上昇シナリオに合わせてファンドを調整できるよう、温度調整主要業績評価指標を追跡する。
初回クローズ時にファンドの中核となるコミットメントを行ったのは、ファンドの欧州設立パートナー・プログラムの一環として、欧州の機関投資家数社であった。その中には、イタリア最大の銀行であるIntesa Sanpaolo S.p.A.や、イタリアのエンジニアと建築家のための第一の年金制度であるInarcassaなどが含まれる。イタリアを含む西ヨーロッパは当ファンドにとって重要な地域であり、ポートフォリオ全体の50~60%がこの地域に割り当てられる予定である。
エバーグリーン・インフラストラクチャー・ファンドは、すでに資本コミットメントを開始しており、米国のC&I太陽光発電と蓄電池のプラットフォームであるLighthouseを買収する最終文書に署名した。同社は、最近制定された米国インフレ削減法に後押しされた分散型再生可能エネルギーへの需要の高まりに対応する、米国6州にわたる事業ポートフォリオを持つ。