6月12日、世界最大の鉄鉱石生産会社であるRio Tintoと鉄鋼メーカーである中国宝武は、鉄鋼バリューチェーンの脱炭素化を目指したパートナーシップを開始することを発表した。
今後数年間は、世界のメーカーがサプライチェーンの脱炭素化を目指す中で、低炭素鋼の需要が大幅に増加することが予想される。鉄鋼業は、世界的に見てもCO2の排出量が多く、その削減が難しい分野の一つである。鉄鋼業からの温室効果ガス排出量は、世界の化石燃料の使用による直接排出量の7~9%を占めている。
新しいパートナーシップは、中国とオーストラリアにおける一連のプロジェクトに焦点を当てる。プロジェクトには、中国のBaowuの製鉄所の1つに電気溶融炉を設置し、低・中グレードの鉱石から生産される直接還元鉄(DRI)を用いた低炭素製鉄を可能にすること、低炭素シャフト炉ベースの直接還元の原料としてオーストラリアの鉱石のペレット化技術の最適化、高炉からの炭素排出を軽減するための中国宝武のハイクロフ(水素強化炭素循環・酸素)技術の開発拡大が予定されている。また、西オーストラリア州で低炭素鉄を生産する機会についても検討する予定である。
【参照ページ】
(原文)China Baowu and Rio Tinto extend climate partnership to decarbonise the steel value chain
(日本語訳)China BaowuとRio Tinto、鉄鋼バリューチェーンの脱炭素化に向けて気候変動対策パートナーシップを延長