英国政府、CO2排出削減のためのAI推進に約2.5億円を投じる

11月22日、英国政府は、CO2排出量削減のためのAI活用を支援する新たなプログラムを開始した。「AI for decarbonisation program」は、政府の310億ドル(約4.2兆円)のNet Zero Innovation programの一部で、150万ポンド(約2.5億円)の資金が付与された。この資金援助は、2つの初期段階で開始される別々の助成金の流れで構成される。

ストリーム1は、最大50万ポンド(約8,360万円)で、2025年3月までにAIイノベーションと脱炭素化に関するバーチャル・センター・オブ・エクセレンスに共同出資するために利用される予定である。ストリーム2は、最大100万ポンド(約1.6億円)で、脱炭素化を支援するAI技術の開発を促進するイノベーション・プロジェクトに資金を提供する。

2023年以降、政府は、バーチャルセンター・オブ・エクセレンスがネット・ゼロの達成に不可欠と特定したAIイノベーションの優先分野を支援するために、追加資金を提供する意向である。

本プログラムは、英国のAIセクターにおけるさらなるイノベーションを刺激する一方で、成長を促進し、国のネットゼロの野望を達成することを目的としている。政府のプレスリリースによると、この助成金は、技術、エネルギー、産業の各セクターにまたがるこの分野でのコラボレーションを促進するものであるという。

このプログラムは、昨年発表された「国家AI戦略」で開発されたアイデアを基に、英国が脱炭素化目標を達成するためにAIがどのように支援できるかを定めている。

脱炭素社会のためのAIプログラムは、英国における市場成長の促進、英国産業の競争力強化のためのエネルギーコストの削減、AIへの民間投資の活用、脱炭素社会に適用するAI技術における倫理・偏見・公平性への配慮を高めることが期待される。

【参照ページ】
(原文)Government launches £1.5 million AI programme for reducing carbon emissions
(日本語訳)政府、二酸化炭素排出量削減のための150万ポンドのAIプログラムを開始

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