10月12日、Microsoftは、サステナビリティに特化した一連の新しいデジタルソリューションを発表し、Microsoftのクラウド・フォー・サステナビリティの機能を強化した。今回の機能強化には、企業がScope 3排出量の追跡やサステナビリティ・データ管理を改善するためのツールなどが含まれる。
本ソリューションは、Microsoftが2021年7月に導入したクラウド・フォー・サステナビリティに続くもので、リアルタイムデータソースに接続したサービス型ソフトウェア(SaaS)ツールにより、企業がより簡単かつ効果的に排出量を記録、報告、削減、交換し、正確な炭素会計、パフォーマンス測定、行動指向の洞察を提供できるようにすることを目的としている。Microsoftは今年初め、クラウド・フォー・サステナビリティの一般提供を発表し、データ・インテリジェンスを統合した新しいソリューションであるサステナビリティ・マネージャーとの統合により、企業が行う事業やバリューチェーン全体の排出量への影響をより自動的に把握できるようになったと発表している。
Microsoftが発表した主な新機能の1つは、スコープ3排出量(企業が直接管理できないバリューチェーンで発生する排出量)を追跡する機能の向上だ。このソリューションには、廃棄物の排出先、廃棄方法、廃棄物の材質などの廃棄物データを組み込む機能が追加されている。また、リース施設や資産から排出される燃料や電力関連の排出量を追跡し、活動ごとの排出量を計算し、将来の削減目標を設定・追跡することができる。
さらに新機能として、毎月のパフォーマンスを前年と比較することで排出量を分析・把握する機能や、組織単位で排出源や活動を掘り下げる機能が強化されている。
また、Microsoftは、クラウド・フォー・サステナビリティのデータモデル・スキーマを拡張し、二酸化炭素排出量だけでなく、水のデータもトラッキングできるようにすると発表した。
Microsoftは今後、自主的な炭素市場を対象に、市場投入までの時間を短縮し、ライフサイクルプロセスの自動化、簡素化、安全性の向上によりクレジットの質と量を高めることを目的とした共通インフラを備えた、市場の拡張性に対応した環境クレジットサービスを開始する計画を発表した。
【参照ページ】
(原文)Driving innovation for ESG progress with Microsoft Cloud for Sustainability
(日本語訳)Microsoft Cloud for SustainabilityでESGの進展に向けたイノベーションを推進する