主要投資家グループ、責任ある気候変動ロビー活動に関するグローバルスタンダード(RCLS)を発足
3月14日、投資家グループは、企業の気候変動へのロビー活動に対する圧力を強化し、企業が守るべき14項目の新しいグローバル・スタンダード(Responsible Climate Lobbying、RCLS)を発表した。企業に対し、ロビー活動や政治的関与が地球規模の気候変動に関する目標に合致していることを確認し、この分野の活動に関する透明性の提供を求める。
BNPパリバ・アセット・マネジメント、AP7、Church of England Pensions Boardなどの運用会社やAIGCC、セレス、ICCR、IIGCC、PRI、IGCCらによって立ち上げられたこの新しい基準は、投資家らが気候変動に関する取り組みで企業のロビー活動に焦点を当てている。CeresとICCRのメディアリリースによると、2022年の委任状シーズンには、企業の気候変動へのロビー活動に関する情報を求める決議が過去最高の46件提出され、Amgen、JPMorgan Chase & Co, Merck, Union Pacific, United Healthなど数社が、決議を撤回するためにロビー活動の開示について既に交渉し合意しているという。
新基準は、方針とコミットメント、ガバナンス、行動、情報開示などの主要なカテゴリーにおいて、一連の指標と企業への期待を定めている。主な期待事項としては、気候変動に関するロビー活動を地球温暖化1.5℃の抑制という目標に沿って行うこと、企業が加盟している同盟や連合もこれらの目標に沿ってロビー活動を行うこと、取締役会レベルで気候変動ロビー活動の監督責任を負うこと、年次モニタリングとレビュープロセスを確立し気候変動ロビー活動に関する企業の評価と行動を網羅した詳細な年次レビューを発表すること、などが挙げられる。また、気候変動へのロビー活動を行う団体への加盟状況を報告し、会社の気候変動へのロビー活動が公的な気候変動政策の支持や会社自身の移行戦略の実現に与えた影響についての総合評価を開示することも、情報開示の要件に含まれている。
また、投資家グループは気候政策ロビー活動のベストプラクティスを示し、2050年までにネット・ゼロを達成するための政策手段を支援し、これらの期待を投資先企業に伝えるというコミットメントを発表した。
【参照ページ】
(原文)New global standard on responsible climate lobbying: calls on companies to align with Paris 1.5⁰c goal
(日本語訳)投資家による企業の気候変動へのロビー活動に関するグローバルスタンダードを開始