神戸港で水素燃料荷役機械の実証開始 脱炭素化に向けた国交省のCNP構想

4月17日、国土交通省は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて進める「カーボンニュートラルポート(CNP)」形成の一環として、神戸港において水素を燃料とする荷役機械の現地稼働実証を開始したと発表した。CNPは、港湾の脱炭素化を通じて、産業競争力の強化と脱炭素社会の実現を両立させることを目的としている。

今回の実証では、現在ディーゼルエンジン発電機で稼働しているRTG(タイヤ式門型クレーン)の発電機を、水素エンジン発電機に換装。水素を燃料として荷役作業を行い、ゼロエミッションの実現を目指す。水素は、水素工場からトレーラーで水素ステーションへ運搬され、そこから機械へと充填される方式が採用された。

港湾の脱炭素化には、単なるインフラ整備だけでなく、荷役機械のゼロエミッション化が不可欠であり、今後の導入促進に向けた重要なステップとなる。今回の実証結果を基に、国交省は「水素を燃料とする荷役機械の導入促進に向けた検討会」を通じて、港湾施設の技術基準の改訂や関連制度の整備を進めていく方針だ。

国交省は今後も、水素などの新燃料を取り巻く港湾環境の整備を進め、荷主や船社から選ばれる持続可能な港湾づくりを加速させる考えである。神戸港での実証はその先駆けとして、CNP構想の具現化に向けた大きな一歩となる。

(原文)港湾のカーボンニュートラル化に向け、世界初実証~水素エンジンで稼働する荷役機械の現地稼働実証を開始~

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