日本国内において人的資本に関する開示が法定となり2年目を迎えた。2024年のCSRDやISSB基準の公布により、人的資本に関する開示は国際的にも重要な指標になった。
一方で、人的資本の開示を進めるにあたって効率的な運用には課題が残る場合もあるだろう。
本稿では、国内外の基準が求める開示項目を整理しながら、人的資本の開示における運用体制のあり方やデータ管理の重要性について解説する。
人的資本の開示の概要
人的資本の開示とは、基本的な統計情報を超えて、管理や取り組み結果の数値データ、およびエンゲージメントがどのように「企業価値」を高めているか、具体的に示すプロセスである。人的資本とは、従業員のエンゲージメント、教育やトレーニングへの投資、労働条件の改善、ジェンダーや多様性の取り組みなど、さまざまな側面からなる。
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執筆者紹介
竹内 愛子 (ESG Journal 専属ライター) 大手会計事務所にてサステナビリティ推進や統合報告書作成にかかわるアドバイザリー業務に従事を経て、WEBディレクションや企画・サステナビリティ関連記事の執筆に転身。アジアの国際関係学に関する修士号を取得、タイタマサート大学留学。専門はアジア地域での持続可能な発展に関する開発経済学。 |