Workivaサーベイ:自社のESGデータを7割以上の経営幹部が信頼をしていない

6月23日、ビジネスデータ・報告ソリューションプロバイダーのWorkivaが発表した新しい調査によると、複数の業界・地域の経営幹部の70%以上が、自社のESG報告に自信がなく、3分の2近くがESG目標や開示要件を満たす準備ができていないと感じていると回答していた。

本レポート「ESG報告に関するグローバルインサイト2022」において、Workivaは、幅広いセクターと13の世界市場において、従業員250人以上の企業の上級意思決定者1,300人に調査を依頼した。調査の回答者はそれぞれ、組織のESG報告および戦略に参加している。

この調査は、世界中の企業が、投資家や顧客を含むステークホルダーから、企業のサステナビリティ関連のリスクや影響に関する透明性の向上を求められるようになり、規制当局がESG開示制度の義務化に取り組んでいることを受けて実施されたものだ。

本調査によると、回答者は概してESG報告から大きな利益を得ており、その多くは、顧客維持と採用(72%)、投資家とステークホルダーとの関係改善(70%)、従業員の採用改善(69%)などの分野で、すでにプラスの効果を実感している。

しかし、ESG開示の利点は十分に理解されているものの、多くの組織はまだサステナビリティ報告書を強化する初期段階にあり、データ収集と報告のニーズを満たすためには、かなりの投資が必要になる。回答者の58%は、所属する組織が過去3年以内に正式なESG報告を始めたばかりであり、さらに14%はまだ正式な報告書を発表していないと回答している。

回答者の85%が、開示内容を規制やフレームワークの基準に対応させるためには技術が重要であることに同意しているが、半数以上(55%)は、現在、適切なESGデータを提供するための十分なツールがないと回答しており、組織のESG報告能力の向上に役立つ技術投資が必要とされている。

環境データの報告を改善することは、意思決定者にとって最重要事項のようで、ESG報告に関して組織が直面している2つの最重要課題として、スコープ1、2、3の排出量を測定する温室効果ガスプロトコルの計算と、投資家レベルの炭素会計データの達成などが挙げられている。同様に、回答者は、今後12~18ヶ月のESG予算のうち、最も大きな割合を環境要因(43%)に充て、次いで社会要因(29%)、ガバナンス(28%)に充てる予定であると報告している。

【参照ページ】
(原文)Survey Results: ESG Practitioners Underprepared for Changing Global Regulations and Challenging Reporting Requirements

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 2025-8-19

    【PR】9/10 オフライン 『開示規制が変化する中でのESG評価の位置づけと実践事例』

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る