H&Mグループ、Lightsource bpと提携、テキサス州で再生可能エネルギーインフラを推進
10月31日、H&Mグループは、Lightsource bpとの間でバーチャル電力購入契約(VPPA)を締結し、テキサス州での再生可能エネルギーインフラの構築を支援する取り組みを強化することを発表した。今回の契約により、テキサス州ブラゾリア郡で建設中の125MWの「セカンドディビジョン」ソーラープロジェクトに対する支援が確定し、地元の電力網に再生可能エネルギーが供給され、H&Mグループのカーボンフットプリント削減にも大きく貢献する見込みである。
H&Mグループは、かねてから再生可能エネルギーを電力網に追加するための方法を模索してきた。風力や太陽光発電所との長期的な電力購入契約(PPA)を通じて、地元のエネルギー独立性と供給の安定性に貢献し、二酸化炭素排出削減も達成できると見込んでいる。Lightsource bpとの提携は2021年に発表され、今回のVPPAの締結により、セカンドディビジョンソーラープロジェクトでは年間15万5,000トンものCO₂排出削減が期待されている。
今回の契約は、H&Mグループが掲げる持続可能な電力調達目標と一致している。2030年までに全事業で100%再生可能エネルギーを調達し、2040年にはネット・ゼロ排出を達成するという目標に向け、H&Mグループは、今回のような新規の発電プロジェクトから少なくとも50%の再生可能電力を調達することを目指している。これは、気温上昇を1.5°C以内に抑えるために不可欠な再生可能エネルギーの大規模な拡大を支える取り組みである。
セカンドディビジョンソーラープロジェクトは2024年末までに稼働開始予定であり、年間20,500世帯分の電力供給を見込んでいる。これにより、約3万3,300台のガソリン車を路上から取り除くのと同等のCO₂削減効果が期待される。このプロジェクトはまた、H&MグループとLightsource bpの双方が重視する自然環境への配慮も反映している。ソーラーパネルの設置インフラは土地の10%未満を占め、周囲には場所に適した草や植物が植えられる予定で、稼働から5年以内に生物多様性の増加を図っている。さらに、現場には羊の放牧も導入され、再生可能エネルギーの生産と農業の共存が実現される見込みである。
H&Mグループは、このようなプロジェクトを通じて、クリーンエネルギーに基づく未来に向けて積極的に投資を続けている。再生可能エネルギーの調達や新たなインフラの開発を支援することで、H&Mはファッション業界をはじめ、企業全体が持続可能な実践を通じて、再生可能エネルギーと脱炭素化への世界的なニーズに応えることを目指している。
【参照ページ】
(原文)H&M Group signs virtual power purchase agreement with Lightsource bp – enabling the construction of new, renewable energy infrastructure in Texas
(日本語参考訳)H&Mグループ、Lightsource bpとバーチャル電力購入契約を締結 – テキサス州での新たな再生可能エネルギーインフラ構築を推進