「TCFD/TNFD/TISFD」財務情報開示の重要性が向上。新たな開示基準にどう備える?

気候変動が事業活動や経済へ与える影響が大きくなる中、企業によるサステナビリティの取り組みは経営課題として重要視されている。そして、TCFDやTNFDに代表されるように、財務インパクトを計測・開示する動きが進みつつあり、サスティナビリティ情報やESG情報の開示に対する投資家からの関心が高まっている。これまでは、環境に関する情報開示への要請が多かったが、人的資本の重要性や多様性を配慮する意識の向上により、企業の社会(人権や地域社会)に関する取り組みについても情報開示が求められている。2024年には「TISFD」という新たなワーキンググループにより、社会面での取り組みに関する情報開示のガイドラインが検討される予定だ。本記事ではTISFDの流れを紹介しつつ、TCFDやTNFDについても振り返って解説する。

サステナビリティ情報から財務情報開示へ

不平等関連財務情報開示タスクフォース(TIFD)と、社会関連財務情報開示タスクフォース(TSFD)の設立準備組織は統合し、2024年第1四半期には新たな組織「不平等・社会関連財務開示タスクフォース(TISFD)」を発足する。統合による新たなフレームワークの公表により、これまでのESG(環境・社会・ガバナンス)の領域において、TCFDとTNFDに準拠したE(環境)の開示だけではなく、S(社会)の領域も開示の範囲が広がっていくと見られる。


以降のコンテンツは無料会員登録を行うと閲覧可能になります。無料会員登録を行う

すでに登録済みの方はログイン画面へ

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-5-21

    ESMA、ESG評価機関規制に関する技術基準案を公表―透明性と利益相反への対応を強化

    5月2日、欧州証券市場監督局(ESMA)は、ESG評価機関に関する新たな規制技術基準(RTS)案を…
  2. 2025-5-21

    個人投資家、サステナビリティ投資への関心依然高く

    4月30日、モルガン・スタンレー・サステナビリティ投資研究所が発表した調査報告によると、世界の個人…
  3. グローバルガバナンス体制構築に向けた実践的ツール紹介

    2025-5-20

    グローバルガバナンス体制構築に向けた実践的ツール紹介

    コーポレートガバナンスは、企業経営に直接的に係る課題であり、あらゆる企業において例外なく重要である…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る