欧州委員会、新たな人事戦略を採択。3つの優先事項に焦点

4月5日、欧州委員会は、新たな人事戦略を採択した。本戦略は、以下3つの戦略的優先事項に焦点を当てている。

1つ目は、魅力的な職場の提供である。本戦略は、家族にも優しい労働条件と魅力的な専門能力開発の視点を備えた、包括的で持続可能かつ柔軟な労働環境をすべての人に提供することを目的としている。本戦略を通じ、差別のない、包括的でジェンダーバランスのとれた、障害者が利用しやすい労働環境を積極的に推進する。

また、ブリュッセルおよびその他の欧州委員会施設からの排出をさらに削減することで、加盟国でのプレゼンスの維持と市民への働きかけの必要性を損なうことなく、よりスマートで環境に優しい出張政策を行う。通勤に持続可能な交通手段の利用を増やすよう職員に奨励し、社用車をEVに置き換える。

2つ目は、より迅速で機動的な選考と採用である。欧州委員会は、欧州人事選考事務所と協力して、外部および内部の候補者に対して、近代的で迅速、かつ柔軟な選考・採用手続きを導入する。その目的は、最も優秀で適切な人材を選び、多様な背景を持つ応募者に対して公平な競争の場を確保し、社内の人材を確保することにある。また、欧州委員会は、職員の地理的なバランスを改善するために、欧州連合(EU)加盟国との協力も行っていく。

3つ目は、キャリア観の強化である。新しい人事戦略では、あらゆるレベル、あらゆる職場で内外の流動性を促進することにより、職員のキャリア観の強化を図る。キャリアガイダンス、メンタリング、コーチング、ヘッドハンティングも再編成・強化される。

3つの優先事項は、第4の分野横断的な優先事項である人事サービスの合理化・手続きの簡素化・デジタル化・スピードアップによってサポートされる。

【参照ページ】
The Commission presents a new Human Resources Strategy to attract top talent from all Member States and deliver on priorities as well as a Communication on Greening to become climate-neutral by 2030

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る