ESGデータ保証準備状況:企業の29%が対応完了

6月13日、KPMGは、企業の29%がESGデータの独立保証に向けた準備が整っていると感じているとの報告書を公開した。この割合は9ヶ月前の調査の25%からほとんど変わっておらず、先進的な企業と準備が遅れている企業の間のギャップが拡大していることが示されている。

調査は1,000社のシニアエグゼクティブと取締役を対象に行われ、リーダー、アドバンサー、ビギナーに企業が分類されている。リーダーのスコアは6ポイント上昇し、アドバンサーも3ポイント上昇したが、ビギナーのスコアは6ポイント低下した。

報告によれば、収益が大きい企業ほどESG保証の準備が進んでおり、地域別ではフランス、ドイツ、日本がトップ3にランクイン。ESG保証の準備が整うことで、マーケットシェアの拡大やコスト削減、新しいビジネスモデルの構築などの利点が期待されているとしている。

また、保証レベルでは、63%の企業が一部または全ての開示に対して限定保証を受けており、52%が合理的保証を受けている。内部スキルと専門知識の確保が課題であり、54%の企業が外部からの人材採用を計画。さらに、リーダー企業の42%がサプライヤーに対して厳格要件を課しており、この割合は2023年の28%から増加しているとのこと。

これらの調査結果は、ESGデータ保証の重要性とその準備状況に関する企業の現状を明確に示しているとして、企業が直面している課題と、ESG保証を通じて得られる可能性のある利点について理解を深めるために、今後も継続的な取り組みが必要であることが示されている。

【参照ページ】
(原文)29% of companies feel ready to have ESG data assured despite looming regulatory deadlines
(日本語参考訳)規制期限が迫っているにもかかわらず、企業の29%がESGデータの確保に準備ができていると感じている

関連記事

“ツールーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-10-3

    お役立ちツール「開示基準の早見表」のご紹介

    ESG Journalでは、実務に役立つ資料やツールを無料で公開しています。今回は、大好評の「開示…
  2. 2024-9-26

    デロイトが2024年CxOレポート発表:気候変動が最重要課題に

    9月11日、ニューヨーク—デロイトが発表した「2024年CxOサステナビリティレポート: ビジネス…
  3. 2024-9-25

    SAP、ESG報告の新たな統合ソリューションを発表

    9月11日、テクノロジー企業であるトムソン・ロイターズ(TSX/NYSE: TRI)は、SAPとの…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る