CFA協会、PRI、GSIAがサステナブル投資の定義を統一

CFA協会、PRI、GSIAがサステナブル投資の定義を統一

11月1日、CFA協会、責任投資原則(PRI)、グローバル・サステナブル・インベストメント・アライアンス(GSIA)は、「責任投資アプローチの定義」を発表した。

今回の発表は、ESG問題に対する投資家の関心が近年著しく高まっていることを受けたものである。昨今、投資商品や手法の普及を促進する一方で、不明確で一貫性のない新しい用語の使用にもつながっている。

本ガイダンスは、証券規制当局のための主要な国際政策フォーラムであり基準設定機関であるIOSCOが2021年に発表した、サステナビリティに関連した投資と金融に関する一連の勧告を受けて作成された。IOSCOの勧告は、グリーンウォッシングに取り組むこと、投資家がEGSをテーマとする投資商品やその他の投資商品に関連するサステナビリティの特徴や潜在的なリスクをよりよく理解すること、そして、商品名を通じてサステナビリティ関連であることを示す商品が、その焦点を正確に反映しているかを確認することを目的としている。

新しい資料では、スクリーニング、ESG統合、テーマ別投資、スチュワードシップ、インパクト投資など、主要な責任投資アプローチに焦点を当てている。各用語には、定義と詳細な説明、主要なインプットや参照点となった用語のリスト、実践における用語の使い方のガイダンスが提供されている。

例えば、ESGインテグレーションは「リスク調整後リターンの向上を目的とした、投資分析・意思決定プロセスにおけるESG要因の継続的な考慮」と定義され、インパクト投資は「財務的リターンと同時に、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトを生み出すことを意図した投資」と定義されている。

新しい資料は投資家、規制当局、政策立案者、その他の市場参加者を対象としており、公的・私的市場を問わず、幅広い投資スタイルと資産クラスに適用されることを意図していると指摘した。

【参照ページ】
(原文)Investment industry heavyweights CFA Institute, GSIA and PRI announce harmonized definitions for responsible investment approaches
(日本語参考訳)CFA協会、PRI、GSIAがサステナブル投資の定義を統一

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  2. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    2025-10-13

    AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    サステナビリティ情報開示は、アナリスト(人間)が読むことを前提とされた構造になっているが、近年は主…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る