9月12日、化学大手独BASF、石油化学大手サウジ基礎産業公社(SABIC)、化学大手英LINDEは、世界初の電気加熱式蒸気分解炉の実証プラントを建設する3社の共同プロジェクトが最終段階に到達したと発表した。
本プラントの完成は2023年末の予定で、その後段階的に試運転が行われる。
将来本プラントでテストされる予定のオレフィン生産用の電気ベースの加熱コンセプトには、合計6メガワットの再生可能エネルギーが必要である。今回、最終段階として設置した9つの変圧器は、それぞれに数千アンペアの電流が流れる。
天然ガスの代わりに再生可能エネルギーによる電力を使用することで、最もエネルギー集約的な生産プロセスのひとつである電気加熱式蒸気分解炉は、従来の技術に比べてCO2排出量を少なくとも90%削減できる可能性がある。
実証プラントは、ドイツのルートヴィヒスハーフェンにあるBASFのフェルブント工場にある既存のスチームクラッカーのひとつに完全に統合される。
【参照ページ】
(原文)BASF, SABIC AND LINDE REACH FINAL STEPS IN THE CONSTRUCTION OF THE DEMONSTRATION PLANT FOR ELECTRICALLY HEATED STEAM CRACKERS
(日本語参考訳)BASF、SABIC、LINDE、電気加熱蒸気分解炉の実証プラント建設で最終段階に到達