HSBCとLGIM、Glencoreの火力発電所建設計画の透明性を求める決議案を提出

1月6日、HSBCとLGIMを含む投資家グループは、世界的な鉱山・商品会社であるGlencoreの一般炭生産計画の透明性を高め、ネット・ゼロ・シナリオにおける資源需要の減少との整合性、および同社自身の気候変動に関する公約を求める決議案を提出したことを明らかにした。

決議案を提出した投資家には、HSBCアセット・マネジメント、リーガル&ジェネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、オーストラリアの産業スーパーファンド、ビジョン・スーパーが含まれており、全体として、68名の個人株主が本決議の共同提出に参加した。

火力発電用石炭は、世界の燃料の中で最も二酸化炭素を排出するエネルギー源だが、世界のエネルギー供給の40%近くを占めている。国際エネルギー機関(IEA)によると、1.5℃に合わせたネット・ゼロ・シナリオでは、今後数年間で発電用の石炭使用量は大幅に減少させなければならない。

Glencoreはここ数年、気候変動に焦点を当てた一連のコミットメントを発表しており、2020年には2050年までにネット・ゼロ・エミッションを達成することを誓い、2021年にはスコープ1、2、3の排出量全体で2035年までに絶対排出量の50%削減を目標とする中間目標を導入した。

しかし投資家グループは、グレンデル炭鉱とハンターバレー炭鉱、そして2021年にコロンビアで取得予定のセレホン炭鉱での一般炭増産の承認を得ようとしていることに触れ、Glencoreの一般炭生産計画が1.5℃に合わせたネット・ゼロ・シナリオに合致していないと主張している。

【参照ページ】
(参考記事)LGIM and HSBC join forces to push Glencore on climate transparency
(日本語参考訳)HSBCとLGIM、Glencoreの火力発電所建設計画の透明性を求める声に参加

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る