欧州証券市場監督機構(ESMA)、欧州委員会に対しサステナブル・ファイナンス規制の枠組みに関する意見書を提示
7月24日、EUの金融市場規制・監督機関である欧州証券市場監督機構(ESMA)は、サステナブル・ファイナンス規制の枠組みに関する意見書を発表し、同枠組みへの長期的な改善の可能性を示した。
ESMAは、EUのサステナブル・ファイナンスの枠組みがすでに十分に発展しており、グリーンウォッシュに対する予防措置も含まれていることを認めている。同時にESMAは、長期的には投資家のサステナブル・ファイナンスへのアクセスを促進し、バリューチェーンの効果的な機能を支援するために、同枠組みをさらに進化させることが可能であると示した。
本意見書は、5月31日に発表されたグリーンウォッシュに関するESMA進捗報告書および、6月18日発表のEUサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)の見直しに関するESA共同意見書内で示された知見を踏まえている。また、欧州委員会がESAに対して求めたグリーンウォッシングに関する意見に対してのESMAの回答の最後の構成要素とされている。
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意見書で示された欧州委員会に対する主な提案は以下の通りである。
- EUタクソノミーをサステナビリティ評価に関する唯一の共通基準とし、すべてのサステナブル・ファイナンスに関する法律に組み込むべきである。
- EUタクソノミーを、実質的にサステナビリティに貢献しうるすべての経済活動に対して適用させるため、環境的・社会的双方のサステナビリティに対して評価を行うためのタクソノミーを開発すべきである。
- 法的明確性を提供し、トランジション(移行)投資関連商品の創出を支援するため、トランジション投資の定義をフレームワークに組み込むべきである。
- すべての金融商品は、環境的および社会的特性をカバーする最低限の基本的なサステナビリティ情報を開示すべきである。
- 明確な適格基準と拘束力のある透明性義務に基づいた、サステナビリティとトランジションに対応した金融商品分類システムを導入すべきである。
- ESGデータ商品を規制対象とすることで、ESG指標の一貫性を継続的に改善し、推計の信頼性を確保すべきである。
- 個人投資家にとっての実用性と妥当性を確保するため、政策的解決策を実施する前に、 消費者と業界によるテストを実施すべきである。
【参照ページ】
(原文)ESMA sets out its long-term vision on the functioning of the Sustainable Finance Framework
(日本語参考訳)ESMAは持続可能な金融枠組みの機能に関する長期ビジョンを提示