英エアハイブ、蘭カービオンを買収 欧州最大級のDAC企業誕生へ

7月14日、ロンドンとオランダ・アイントホーフェンを拠点とする直接空気回収(DAC)技術開発企業のエアハイブとカービオンは、両社が経営統合し、英蘭にまたがるDAC企業を発足させたと発表した。統合会社はエアハイブの名称のもとで国境をまたいで運営し、研究開発拠点をオランダのハイテック・キャンパス・アイントホーフェンに置き、次世代技術「カスケード」の開発を進めるとしている。

両社はいずれも固体吸着剤を用いたDAC技術を手がけているが、アプローチは異なる。エアハイブは食品・医薬品分野の技術を応用した流動化技術を軸とする一方、カービオンは独自の高反応性吸着剤による回収能力向上を強みとしてきた。

エアハイブはこの1年、カナダ・アルバータ州で年間1000トン規模の実証システムを稼働させ、輸送・貯留を除くコストをトン当たり500ドル未満に抑える成果を上げたほか、英イングランド北東部ティーサイドでパイロットプラントを開設し、ミッション・ゼロ・テクノロジーズやプログレッシブ・エナジーとともに年間6万トン規模のDAC施設を建設する「ユニオンDAC」構想を進めてきた。カービオンも第1世代技術の実証機「カービオンGO」を導入し、固体吸着剤の寿命やエネルギー効率の改善を進めるとともに、農業分野へのDAC応用モデルの開発に取り組んできた。

エアハイブの創業者兼最高経営責任者(CEO)のローリー・ブラウン氏は、DAC分野で低コストと大規模展開を両立するには技術革新、プロジェクト実行力、政策支援や インフラといった環境整備の3つが必要だとし、カービオンの研究開発力を取り込むことで目標達成を加速できると述べた。カービオンの創業者ハンス・デ・ネーヴェ氏は、エアハイブの実行力と技術力にカービオンの研究基盤が組み合わさることで、市場の課題を乗り越える体制が整うとの考えを示した。

統合後のエアハイブは今後、炭素利用と炭素貯留の両プロジェクトに注力する方針で、欧州の飲料大手コカ・コーラ・ヨーロピアシフィック・パートナーズと共同で、ボトリング工場へのDAC設備導入を進めている。同社が生産する低炭素・食品グレードのCO2は、炭酸飲料向けに活用される計画だ。

背景には欧州連合(EU)と英国での政策支援の強化がある。DACは近年、EUの炭素除去・炭素農業(CRCF)枠組みで認証された最初の3手法の一つとなったほか、英国政府も2028〜29年にDAC由来の炭素クレジットを英国排出量取引制度(UK ETS)に組み込む方針を示している。

原文:Airhive acquires Carbyon, creating a European leader in low-cost direct air capture technology
日本語参考訳:Airhive社がCarbyon社を買収し、低コストの直接空気回収技術における欧州のリーダー企業が誕生


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