GX-ETS(排出量取引制度)とは?2027年度に向けて制度と実務を改めて整理

GX-ETS(排出量取引制度)は、2026年度から改正GX推進法に基づき本格稼働している。制度初年度となる2026年度には特例的なスケジュールが設けられており、2026年度は年度平均排出量の届出や移行計画の提出などが先行し、排出目標量等合計量の届出や初回の排出枠の割り当ては2027年度に行われる。
2027年度はGX-ETSの実務対応がさらに本格化する重要な年度となる。本記事では、GX-ETSの基本的な仕組みを改めて整理するとともに、2026年度の特例措置と2027年度以降のスケジュール、排出量算定や第三者確認など、企業が押さえておきたい実務対応を解説する。
GXとは
GX(グリーントランスフォーメーション)とは、化石燃料を中心とした経済・社会・産業構造をクリーンエネルギー中心へ移行させ、エネルギーの安定供給、経済成長、排出削減の同時実現を目指す取り組みである。
主な施策としては、GX経済移行債を活用した投資促進策に加え、以下のようなカーボンプライシングなどが予定されている。
- 2026年度:排出量取引制度(GX-ETS)の本格稼働
- 2028年度:化石燃料賦課金の導入
- 2033年度:発電部門における排出枠の有償オークションを段階的に導入
GX-ETSは一連の「成長志向型カーボンプライシング」を構成する主要施策の一つである。
GX-ETS(排出量取引制度)とは
GX-ETSは、一定規模以上のCO₂を直接排出する事業者を対象とした排出量取引制度である。2023年度からGXリーグの下で自主的な排出量取引が行われてきたが、2026年度から改正GX推進法に基づく法定制度として本格稼働した。
制度では、政府が一定の基準に基づいて対象事業者に排出枠を割り当てる。対象事業者は毎年度の排出実績量を報告し、排出実績量と同量の排出枠を期限までに保有する必要がある。
排出枠に過不足が生じた場合には、事業者間で排出枠を取引できる仕組みとなっている。
GX-ETSの対象企業は?
制度対象となるのは、CO₂の直接排出量の直近3年度平均(年度平均排出量)が10万トンを超える事業者である。
制度対象かどうかは毎年度、直近3年度の直接排出量をもとに判定する。たとえば、2026年度から制度対象となる場合には、2023~2025年度の直接排出量から年度平均排出量を算定し、対象になるか判断する。
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続きでは、2027年度に向けたGX-ETS対応を進める際に役立つ情報をご活用ください。
・GX-ETSの制度改正・最新動向を継続的にチェック
・GHG排出量の算定・データ管理に役立つ実務を整理
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<執筆者>

竹内愛子
国際関係学に関する修士号を取得。総合コンサルティングファームにて、システムおよび戦略コンサルティングに従事した後、Big4ファームのアドバイザリー部門にて、ガバナンス・リスクマネジメントや統合報告に関する企業向け支援に携わる。
2022年より ESG Journal にて、サステナビリティ経営の観点から、情報開示実務やそれを支えるシステム活用をテーマに、オリジナル解説およびホワイトペーパーの執筆を行っている。

