東急不動産HD、気候と自然のシナリオ分析を統合実施 TCFD・TNFDに準拠

7月10日、東急不動産ホールディングスは、気候変動と自然関連課題が事業や財務に与える影響を統合的に把握するため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)とTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)に準拠したシナリオ分析を実施したと発表した。

同社は2018年度から気候関連のシナリオ分析を継続してきたが、気候変動と自然資本の損失が相互に影響し合うことを踏まえ、今回初めて両者を統合した分析を行った。都市開発事業(オフィス・商業施設)や住宅事業、再生可能エネルギー事業、物流施設、ウェルネス事業(ホテル・レジャー施設)など主要事業を対象に、気候変動については1.5℃、3℃、4℃の3つのシナリオ、自然については、ネイチャーポジティブへの移行が進むシナリオなどTNFD推奨の3シナリオを設定し、移行リスクや物理的リスク、機会を総合的に評価した。

分析の結果、グループ全体の重要な課題として、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化や土地改変等の規制強化に伴う建築・改修コストの増加などのリスクがある一方、気候変動・自然対策を施した施設への需要拡大や再生可能エネルギー事業の市場拡大による収益増加が大きいことが分かった。

同社は財務的影響の重要性が高いリスク・機会として計155項目を特定し、保有データや外部シナリオに基づいて算定可能な項目については財務影響の定量評価も実施した。評価にあたっては、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が求めるリスク・機会の集中やトレードオフの整理、不確実性に関する評価も行い、各事業部門の担当者と複数回の打ち合わせを重ねたという。

同社は2018年度開始のTCFDと2023年度から取り組んできたTNFDの分析を今回統合したことで、気候・自然関連の財務情報開示を一通り網羅的に反映したとしている。今後は再生可能エネルギー事業への投資拡大やZEB・GX-ZEHの推進、自然と調和した都市緑化などの取り組みを継続し、指標・目標の整備を進める方針だ。同社は7月14、15日に熊本市で開催される「グローバル・ネイチャーポジティブ・サミット2026」にも協賛し、自社のネイチャーポジティブ戦略を紹介する。

原文:気候(TCFD)・自然(TNFD)の統合的なシナリオ分析を実施


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