
1月6日、資産運用会社のRobecoは2025年のエンゲージメントテーマとして、気候変動と自然を引き続き主軸としつつ、「移行」と「株主の権利」を新たに取り上げる方針を発表した。これにより、自然資源管理や森林破壊に関与する幅広い商品への対応を強化すると同時に、多様性のエンゲージメントを拡大し、人材管理の改善にも注力する。
特に、気候変動やそれに関連する自然問題への取り組みをさらに深める計画であり、森林破壊に対しては従来のパーム油に加え、大豆、牛肉、革製品、紙・パルプまで対象を拡大する。また、水資源や廃棄物管理を含む自然資源管理のテーマを強化し、生物多様性の保護にも取り組む方針である。
さらに、多様性と包括性の分野では、人材管理の拡大を通じて、従業員の満足度や職場での価値認識に関する問題にも対応する予定である。
新たに「移行に関する鉱物のサプライチェーン」と「株主権利の保護」という2つのテーマが追加される。鉱物のテーマでは、EVバッテリーの供給網全体を対象にし、鉱物採掘による森林破壊や水質への影響、社会問題などを考慮しながら環境・社会基準の維持を企業に促す。株主権利のテーマでは、規制緩和による少数株主の保護の弱体化に対して政策エンゲージメントを通じて対応し、投資全体の保護を目指す。
Robecoは短期的な新規テーマの導入よりも、長期的なリスクや構造的な社会変革に重点を置く方針を示しており、気候変動、生物多様性、人権といった「エバーグリーン」テーマを深く掘り下げることで、長期的なポジティブインパクトを創出することを目指している。
【参照ページ】
(原文)Engagement themes 2025: from deforestation to diversity
(日本語参考訳)2025年のエンゲージメントテーマ: 森林破壊から多様性まで