EU・ブラジル・中国、炭素市場の透明性強化へ新連合を発足

5月7日、欧州委員会は、EUを代表し、ブラジルおよび中国とともに「遵守炭素市場に関するオープン連合(Open Coalition on Compliance Carbon Markets)」を正式に発足させた。同連合は、2025年11月にブラジル・ベレンで開催されたCOP30で、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長ら各国首脳が支持した宣言を基礎とする国際的な取り組みである。

同連合は、世界各国の国内炭素市場の有効性、透明性、信頼性を高め、パリ協定の実施を支援することを目的とする。国内炭素市場やカーボンプライシング政策の整備・強化に向けた協力の場を提供し、強固なモニタリング・報告・検証(MRV)制度、適切な炭素会計手法、環境面の信頼性を確保したオフセット活用などを重点分野とする。

署名式と設立会合はイタリア・フィレンツェで行われ、EUから欧州委員会気候行動総局のクルト・ヴァンデンベルゲ総局長、中国から生態環境部の李高副部長、ブラジルから炭素市場担当特別長官のクリスティーナ・レイス氏が参加した。

同連合は、排出量取引制度や炭素税など、全国規模の遵守型炭素市場を持つ国に開放される。地方政府など準国家レベルでカーボンプライシング制度を運営する主体は、オブザーバーとして参加できる。ニュージーランドとドイツが最初の加盟国となり、ブラジルが最初の2年間議長を務め、中国と欧州委員会が共同議長を担う。

今後は事務局の設置と作業計画の策定を進め、9月15日に中国・武漢で開催される炭素市場会議で採択を目指す。世界では現在、約50カ国で約80のカーボンプライシング制度が導入されており、同連合は相互理解、優良事例の共有、国際基準の引き上げを促す枠組みとなる。

欧州委員会は、国内カーボンプライシングの有効性向上、質の高いカーボンクレジットの推進、炭素会計手法の比較可能性の検討を優先課題に掲げる。EUは、20年以上にわたるEU排出量取引制度(EU ETS)の経験を基盤に、排出削減に向けた費用対効果の高い政策手段としてカーボンプライシングを推進する方針である。

原文:EU, Brazil and China launch open coalition to boost integrity and effectiveness of carbon markets

日本語参考訳:EU、ブラジル、中国が炭素市場の健全性と有効性を高めるための公開連合を発足


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