2月15日、JPモルガン・アセット・マネジメントとステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)は、機関投資家の気候変動アクション・イニシアチブClimate Action 100+(CA100+)から脱退し、ブラックロックは、メンバーシップを国際部門に移し、関与を制限すると発表した。
本決定により、気候変動への取り組みについてウォール街の行動を調整する努力から、合わせて14兆ドル(2千兆円)近い総資産が取り除かれる。CA100+が、遅れをとっている企業に対してより強力な行動をとるよう署名者に求めた後に下された。
2023年6月に採択された優先事項は、CA100+の署名企業に対し、政策立案者との関与を求め、2050年までにネット・ゼロを達成するという目標に向けた企業との協議の詳細を公表することを求めるものである。しかしSSGAは、今回の変更は「委任状による議決権行使や投資先企業の関与に対する当社の独立したアプローチとは一致しない」と述べた。
JPモルガンのファンド部門は、独自の投資スチュワードシップ能力を構築した後、CA100+のメンバーシップを更新しないことを決定したと発表した。ブラックロックはCA100+のメンバーシップをブラックロック・インターナショナルに移行したと述べた。同社は「どの発行体に関与するか、どのように委任状に投票するかを選択することを含め、常に顧客のために行動する独立性を維持している」と述べ、新たなエンゲージメントと委任状投票のオプションを追加し、クライアントに気候変動目標の優先順位をつける方法を提供するとしている。
すでに、ウォルター・スコット&パートナーズやルーミス・セイルズなど13社がCA100+から脱退済み。世界第2位の運用会社であるバンガードは加盟しておらず、2022年後半には別の有名な気候変動グループ、ネット・ゼロ・アセット・マネジャーズ(NZAM)も脱退した。
【参照ページ】
(原文)JPMorgan, State Street quit climate group, BlackRock steps back
(日本語参考訳)JPモルガンとステート・ストリート、CA100+から離脱。ブラックロックは関与制限