英国、IFRSベースのサステナビリティ開示基準を作成へ

英国、IFRSベースのサステナビリティ開示基準を作成へ

8月2日、英国政府は、企業がサステナビリティと気候変動に関連するリスクを報告するための英国サステナビリティ開示基準(SDS)を作成する計画を発表した。企業貿易省(DBT)によると、本基準は将来、サステナビリティ報告に関する法律や規制の基礎となる。

DBTによると、新基準は、IFRS財団の国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)が最近公表したサステナビリティ・気候関連報告基準に基づいている。ISSBは、2021年11月に英国で開催されたCOP26気候変動会議で発足し、サステナビリティのリスクと機会が企業の見通しに与える影響について一貫した理解を可能にするグローバルなベースラインを提供するため、IFRSサステナビリティ開示基準を開発している。

IFRS基準は2023年6月に公表され、7月には、証券規制当局のための主要な国際政策フォーラムであり基準設定機関であるIOSCOが、規制当局に対し、サステナビリティ報告規制の枠組みに基準を組み込むよう呼びかけた。

DBTはその声明の中で、英国企業のサステナビリティ開示がグローバルに比較可能で、投資家にとって有用であることを保証するため、英国SDSはIFRS基準をベースとし、英国の規則は、英国固有の事項のためにどうしても必要な場合にのみ、グローバルなベースラインから逸脱することになると述べている。

DBTは、開示を求める決定は、英国政府と金融行動監督機構(FCA)が独立して行うと付け加えた。英国は2021年に大企業に対して気候関連報告を義務付ける計画を発表しており、政府はグリーンファイナンス戦略の更新の中で、大企業に対する気候変動移行計画の開示義務について協議すると述べている。

DBTの声明では、2024年7月までにIFRSのサステナビリティ開示基準を承認し、英国のSDSを作成することを検討すると述べている。

【参照ページ】
(原文)UK Sustainability Disclosure Standards
(日本語訳)英国、IFRSベースのサステナビリティ開示基準を作成へ

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. 2024-5-8

    IBM、ESGデータプラットフォームにCSRD対応機能を追加

    4月30日、IBMは、ESGデータの収集、分析、報告プ​​ラットフォーム「IBM Envizi」の…
  2. 2024-5-8

    IFRS、EFRAG、ISSB/CSRD報告基準に双方に対応する企業向けガイダンスを発行

    5月2日、IFRS財団と欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、ESRS-ISSB基準の相互に共…
  3. 2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
ページ上部へ戻る