Michelin、複合廃棄物リサイクルで循環型経済の発展を目指したプロジェクト開始

7月5日、タイヤ大手Michelinは、 プラスチック製の繊維を含む複合廃棄物を付加価値の高い製品に変換する循環型経済の発展を目指した「WhiteCycle」プロジェクトの開始を発表した。欧州委員会の「Horizon Europe」プログラムの共同出資により、本官民パートナーシップには17の組織が参加している。

WhiteCycleは、2030年までに、世界で3番目に多く使用されているプラスチックであるPETの年間200万トン以上のリサイクルを促進することを目標としている。本プロジェクトにより、CO2排出量を約200万トン削減し、年間180万トン以上のプラスチックの埋立や焼却を回避可能になると期待されている。

参加組織は以下の通り。

  • 産業界のパートナー3社(Michelin、Mandals、Inditex)
  • 廃棄物管理会社2社(Synergie TLC、ESTATO)
  • インテリジェント選別SMB(Iris)
  • 生物学的リサイクルSMB(Carbios)
  • PETプラスチック加工工場1社(KORDSA)
  • 製品ライフサイクル分析会社(i-Point)
  • 大学・研究・技術機関6社(PPRIME、ポワチエ大学、DITF、IFTH、ERASME、HVL)
  • ビジネスクラスタ1社(Axelera)
  • プロジェクトマネジメントプラクティス(Dynergie)

本コンソーシアムは、バリューチェーンの様々なステップに必要な新しいプロセスを確立する予定だ。

  • 複雑な廃棄物の流れをより良く処理するために、プラスチック含有量を大幅に増加させることを可能にする選別技術。
  • 再生プラスチックの前処理工程と、前処理されたプラスチックを持続的に分解して純粋なモノマーにする非常に革新的なリサイクル工程(酵素を使用)。
  • 得られたプラスチックモノマーを再重合し、新品同様のプラスチックを生産する。
  • リサイクルされた複合廃棄物から作られたプラスチックで作られた新しい製品の品質検証。

【関連記事】
Michelin、100%持続可能なタイヤ開発へのコミットメント発表
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【参照ページ】
(原文)
An unprecedented consortium rallying 17 public and private European organizations to establish a circular economy
(日本語訳)
タイヤ大手Michelin、複合廃棄物リサイクルで欧州の官民17団体が結集したプロジェクトを発足

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